シンガポールのTurtleTree、アニマルフリーのラクトフェリンを配合した運動機能を助けるエスプレッソを発売へ
シンガポールの精密発酵企業TurtleTreeが、米国のコーヒーメーカーCadence Cold Brewとの提携により、「Cadence Performance Coffee」ブランドから機能性エスプレッソを発売すると発表しました。
精密発酵ラクトフェリンを初めて商品化
新製品のエスプレッソには、TurtleTreeが精密発酵により世界で初めて開発した、アニマルフリーのラクトフェリン「LF+」を使用。この原料は、昨年11月にGRAS自己認証を取得したことで、市販される食品への使用が可能となりました。
鉄分の調節、免疫機能の強化、腸の健康をサポートするラクトフェリンの機能を手軽に得られる製品となっていることに加えて、カフェインが亜鉛と鉄の吸収に及ぼす悪影響* をLF+が和らげ、身体がこれらの重要な栄養素を摂取するのを助けるといいます。
1ショット2.5オンス(約70g)で価格は7ドル(約1,090円)。夏にはオンライン販売が開始され、その後アマゾンや実店舗での販売に移行する予定です。
Cadence Cold Brewは、一流アスリートや宇宙飛行士、軍隊などに、「deltaG Ketone」のような最先端の栄養製品を提供してきました。今回の新製品発売に加えて、通常の缶入りコーヒーやヨーグルトなど、LF+を使用したほかの製品開発も行っている様子です。
供給不足に対処し、ラクトフェリンの市場を拡大
TurtleTreeのCEOを務めるFengru Linは、「この提携により、ラクトフェリンには乳幼児にとどまらないグローバルなニーズがあることが示され、当社はこの需給ギャップを埋める手段を得ることができた」とコメント。
現在、世界のラクトフェリン供給量の60%以上が乳幼児の栄養ソリューションに使われているという中、今回の提携は、成人にとっても不可欠なこのタンパク質の供給不足に対処するものとなります。
鉄分不足は、マラソンなどの持久系スポーツに取り組むアスリートの30~50%に影響を及ぼしており、疲労や脱力感といった症状をもたらして最高のパフォーマンス発揮を妨げる、と同社は説明。
鉄分を豊富に含んだラクトフェリンを補給することで、こうした症状の改善が見込めますが、ラクトフェリンは効率的な調達が難しく、1kgあたり700〜1,500ドル(約11万〜23万円)と価格は高騰しています。ピンク色の見た目と希少性から、「ピンクゴールド」とも呼ばれてきました。
TurtleTreeは、世界初となる精密発酵ラクトフェリンの商用化を推し進めることで、市場の供給不足に対処。現在はウシラクトフェリンと同等価格ですが、生産のスケールアップに合わせ徐々に低価格化を図るとしています。
参考記事:
TurtleTree to Debut Animal-Free Lactoferrin with Espresso Shot for Endurance Athletes
TurtleTree’s Animal-Free Lactoferrin in Functional Espresso Marks First Commercial Partnership
* The influence of different food components on the in vitro availability of iron, zinc and calcium from a composed meal – PubMed
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