独KyndaがRaging Pig Companyとの提携により、アップサイクル原料を用いた菌糸体ミートバーガーを発表

ドイツのB2B企業Kyndaが、代替肉およびハイブリッド肉製品向けの新しい菌糸体原料を欧州市場に投入しました。

Kynda Meat」と名付けられたこの原料は、栄養価が高く、動物性タンパク質の「真に持続可能な」代替品とのこと。アップサイクル原料のみを使用し、48時間のバイオマス発酵プロセスで生産されます。

農業や食品産業の副産物を活用


Kyndaは、ドイツ・ハンブルグで開催中の見本市「Internorga」(3/8〜3/12)にて、フードテック企業Raging Pig Companyと初の提携を実施。同社のヴィーガンバーガーに使用されてデビューを飾りました。

Daniel MacGowan von HolsteinFranziskus Schnabelが2019年に設立したKyndaは、農業や食品産業から出る大豆、オーツ麦、おからなどの副産物を利用し、バイオリアクター内で菌株をわずか48時間で増殖させるバイオマス発酵プラットフォームを開発しました。

この発酵プロセスでは、Beyond Meatのような業界大手で使用されているエンドウ豆タンパク質に比べて温室効果ガス排出量が700%少ないといい、排出量削減を目指すメーカーにとって魅力的な原料の選択肢となっています。

栄養プロファイルについては、タンパク質含有量が37%で、全9種類の必須アミノ酸、高品質の食物繊維、ビタミンを豊富に含んでいます。

Raging Pig Companyは、これまで用いていた高水分押出成形によるエンドウ豆タンパク質の17%を、Kynda Meatに置き換え。共同創業者のArne Ewerbeckは、これにより「生産コストを大幅に下げることができ、多額の補助金を得ている食肉生産者とようやく競争ができるようになった」と語っています。

EUの新規食品規制に適合


Kyndaは、菌糸体原料の開発に注力するだけでなく、同じく食用の菌糸体を生産する企業向けに、安価な「プラグアンドプレイ」のバイオリアクターとスターターカルチャーを提供しています。

同社が使用している菌株は公表されていませんが、EUの新規食品(Novel Food)規制に適合したもので、規制に縛られない展開が可能とのこと。

商品化に向けては、今年中に外食・小売業者との提携を拡大する計画。また、3万リットルの発酵生産能力を持つ新しい施設の建築許可を得たところで、2024年第3四半期末までに建設を予定しています。

昨年、ドイツ連邦食糧・農業省(BMEL)からの助成金を受けており、現在はシードラウンドで400万ドル(約5億8,700万円)の資金調達を進めている最中です。

アップサイクル原料の利用がスタンダードに


ドイツでバイオマス発酵を手掛けるその他の企業としては、MicroHarvestPacifico BiolabsProteinDistilleryBosque Foodsなどがありますが、いずれの企業もKyndaと同様に食品産業や農業由来の副産物を活用。

1月に5,800万ドル(約85億1,000万円)の巨額調達を完了したInfinite Rootsも、醸造で出た穀物粕などを用いる技術を開発中としています。

費用対効果が高く迅速なスケールアップが可能な菌糸体は、タンパク質危機を解決し得るものとして注目を集めていますが、その中でもより持続可能な手法を模索する動きが強まっています。

参考記事:
Biotech company Kynda introduces zero-waste mycelium-based food solutions to European market, starts with Germany product launch | Protein Report
Kynda Debuts Zero-Waste Mycelium Ingredient in Burgers Crafted by The Raging Pig Co.

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。