独Marsapet、Calystaの空気由来タンパク質を使用したドッグフードを欧州で発売

ドイツのペットフードメーカーMarsapetが、米国のCalystaが生産する空気由来タンパク質「FeedKind Pet」を使用したドッグフード製品「MicroBell」を発売しました。

アレルギーを持つ犬にも優しい選択肢に


ペットの栄養用途に設計された「FeedKind Pet」は、消化性が高く、健康な腸の維持を助けるポストバイオティクスの特性を持つタンパク質原料。生産において遺伝子組み換えの技術は使用していません。

欧州連合(EU)や英国、カナダなど多くの国々で販売が認められており、年内には米国でもペットフード用途のGRAS(一般に安全と認められる)ステータスを取得する予定。V-Labelによる正式なヴィーガン認証も受け、ベジタリアン・ヴィーガン向け製品への配合が認められています。

FeedKind Petのほかにサツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモを主原料とするこの製品は、犬の健康維持に必要なアミノ酸をすべて含んだ、グレインフリー、グルテンフリーのヴィーガンフード。

嗜好性の面でも優れており、通常の動物性タンパク質に含まれる栄養を摂取できる、アレルギーを持つ犬や胃腸の弱い犬に特に適した選択肢となっています。

「Marsavet」ブランドから発売され、現在、欧州の一部のペットフード店とオンラインストアで購入が可能。価格は900g入りで9.99ユーロ(約1,570円)、4kg入りで34.99ユーロ(約5,490円)です。

Calystaは昨年5月にドイツのDr. Clauder’sと提携し、ニュルンベルクで開催されたペット見本市「Interzoo 2024」で、FeedKind Petを用いた初の犬用スナックを展示しました。その後、Dr. Clauder’sのウェブサイトで一時販売していた様子です。

メタンをタンパク質に変換する微生物を利用


Calystaは、メタンをタンパク質に変換するメチル栄養細菌を使用し、再生可能エネルギーを動力源とする発酵プラットフォームを開発しました。

空気中の酸素と窒素にメタンを加えたガスを発酵タンクに入れ、これを微生物の栄養として発酵を促進。その後、液体培地を取り除いて乾燥させ、タンパク質を約70%含んだ粉末原料に仕上げます。

本社は米国・カリフォルニア州に置いていますが、サンプル生産を担う英国・ティーズサイドの工場に加え、中国の重慶に年間2万トンの製品を生産できる発酵施設を保有。すでに商業規模での生産を行っています。

水産飼料用途では2023年に米国のGRASステータス、2024年に中国で販売認可を取得。ペットフード用のほか、ヒトの食品用途としても、動物性タンパク質に代わる高栄養価の食品原料「Positive Protein」を開発しています。

参考記事:
Marsapet Launches First Dog Food Featuring FeedKind Pet Protein | Business Wire
Marsapet launches first dog food featuring FeedKind protein | Pet Food Processing
World’s first dog treats launched featuring FeedKind® Pet protein – FeedKind®

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