菌糸体ベースのベーコンを展開する米Ecovativeが、約16億円の調達を実施

米国・ニューヨークを拠点とするEcovativeが、同社からスピンアウトしたMyForest Foodsが展開している菌糸体ベースの代替肉「MyBacon」の拡大のため、1,100万ドル(約16億円)の調達を行ったと発表しました。

ホールカット製品の発売と外食への参入を狙う


Ecovativeは、垂直農法でキノコを大規模栽培する独自技術「AirMycelium」を用いて、菌糸体の大量生産を実施。

菌糸体ベーコンを手掛けるMyForest Foodsのほか、プラスチックやレザーの持続可能な代替品をForager、Mushroom Packaging、Grow.bioといったサブブランドで販売しています。

今回の調達ラウンドは、特にMyForest Foodsの製品「MyBacon」に焦点を当てるもので、Advance Albany County Allianceからの170万ドル(約2億4,700万円)の助成金と融資に加え、主に既存の投資家陣が主導しました。

Ecovativeは、本社に同製品の包装施設を新設し、生産能力を3倍に増強したところ。目標とするホールカットの菌糸体製品の発売と、外食チャネルへの参入に向け、調達資金を用いて生産の継続的なスケールアップを行います。

自然なクリーンラベル実現で消費者の支持を獲得


主力の「MyBacon」は、植物由来の朝食製品の中では最も売り上げを伸ばしている製品となっており、平均的な販売速度の3倍を記録する勢いで競合他社を上回っているとのこと。

Whole Foods Marketを含む米国全土の1,200以上の小売店で販売されているほか、HungryrootやPurple CarrotといったD2Cチャネルでも取り扱いが始まっています。今年、全米レストラン協会(NRA)の権威ある「FABI Awards」も受賞しました。

EcovativeのCEOを務めるEben Bayerによると、同社の生産工程は、育てた菌糸体を収穫してスライスし、塩、砂糖、ココナッツオイル、スモークフレーバーに漬け込み、低温殺菌した後包装するというシンプルなもの。肉を再現するための複雑な加工工程や添加物を必要とせず、自然に肉のような構造とうま味を持たせることが可能です。

トランプ政権下でロバート・ケネディ・ジュニアが保健福祉長官に就任して以来、超加工食品(UPF)を排除する動きがますます強まっている中、人工的なものに頼らないアプローチは、さらなる普及に向けての鍵となります。

参考記事:
Breaking: Ecovative raises $11m, plans aggressive expansion of mycelium-based MyBacon
Ecovative Raises $11M After Outselling Meat Alternatives with Mycelium-Based MyBacon

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