フランスの植物性代替肉企業Umiami、EU・米国市場進出に向けシリーズAラウンドで約51.5億円を追加調達

植物由来のホールカットチキンを手掛けるフランスのUmiamiが、生産規模と欧州市場での流通の拡大、さらに米国での事業立ち上げに向け、3,250万ユーロ(約51億5,000万円)の追加資金調達を行ったと発表しました。

同社は、昨年すでにシリーズAラウンドでの調達を行っており、今回の分を加えた総額は5,900万ユーロ(約93億6,000万円)に到達。創業から3年間で、融資や公的セクターからの助成金を含め、総額1億ユーロ(約159億円)超を確保しています。

シリーズAラウンドでは、フランス政府の投資計画「France 2030」の一環としてBpifranceが運営する、Sociétés de Projets IndustrielsとFrench Tech Seedがリードインベスターとなり、歴史のある複数の投資会社が参加しました。

独自技術を用いた生産を強化


Umiamiは、植物性代替肉の加工における「Umisation」と呼ばれる独自技術を開発。「肉や魚の味と食感を完全に再現し、同等の栄養価を持つ」と主張するこの技術を用いた生産を強化する狙いです。

植物性食品では使用する原材料や加工工程の多いことが消費者にとっての懸念点となっていますが、同社のホールカット代替肉製品は10以下の原材料しか含まず、食感改良剤や添加物を使用していません。

同社は、100トンの生産能力を持つパリの研究開発用パイロットプラントを昨年から稼働させていることに加えて、アルザス地域圏のストラスブール近郊にある14,000平方メートルの土地をユニリーバより買収しました。

この土地に数カ月以内に新施設をオープンさせる予定で、1ラインあたり7,500トンの生産能力を確保し、今後20,000トンにまで拡張する可能性があるとのこと。

欧州市場の拡大と米国事業立ち上げ


フランス政府は先月、植物性代替肉のラベル表示に「ステーキ」「ビーフ」「ハム」といった食肉関連用語の使用を禁止するという政令案を発表。欧州司法裁判所まで巻き込んでの検討が行われる中、同国の植物性食品には逆風が吹いている状況となっていました。

この禁止案を受けて、フランスの小売り大手カルフールは、ユニリーバやダノンなどとの企業連合を結成し、同国内での植物性食品の生産を推進。フレキシタリアン(基本的にはベジタリアンの食生活を送るものの、あまりこだわらず肉や魚も食べる人)の数が増加していることを、植物性食品市場の成長の兆しと指摘しています。

GFI Europeによると、フランスはヨーロッパ大陸で5番目に大きな植物性食品市場であり、2020〜22年にかけて売上は5%増加。代替肉単体の売上を見ると、同じ期間に17%も成長しているといいます。

Umiamiは、フランスも含めた欧州でのさらなる事業拡大を画策。現在までにフランス、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリアの小売り・外食産業にホワイトラベル*1 製品の供給を行っていますが、今年8月にはスイスのコープ120店舗で、初めて自社ブランド製品の販売を開始しました。来年は、さらに多くのレストランや小売店との提携を見込んでいます。

加えて、植物性代替肉の市場が「より発展している」とみる米国市場への参入も計画。ペプシコなどに勤めた経験のあるJohn Hattoを、米国事業の責任者として迎え入れています。

*1 OEM製品のように、自社で製造した製品を他社ブランドで販売すること。

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