仏カルフール、植物性代替肉の表示を規制するフランスの政令と闘う企業連合の立ち上げを主導

フランスに本社を置く多国籍小売企業のカルフールが、同国で発表された植物性代替肉の表示規制案を受け、植物性食品の企業連合を立ち上げたと発表しました。

代替肉の表示を規制する政令に対抗


フランス政府は、国内で製造・販売される植物性代替肉のラベル表示に対して、「ステーキ」「ビーフ」「ハム」といった食肉関連用語の使用を禁止する政令案を発表し、現在欧州司法裁判所で検討されている最中です。

これに対抗するべく新たに設立された企業連合には、カルフール、ユニリーバダノンのほか、Bel Group、Savencia、Andros、Bonduelle、Nutrition & Santéが参加。

フランスの植物性食品産業を活性化して生産量を増加させ、消費者がより安価な製品を入手しやすくすることを目的としており、グループ全体で2026年までに30億ユーロ(約4,740億円)の売り上げを目指すとのこと。

カルフールの現CEOを務めるAlexandre Bompardは、食品産業が気候変動に与える影響が大きいこと、そしてフランスでフレキシタリアン(基本的にはベジタリアンの食生活を送るものの、あまりこだわらず肉や魚も食べる人)の数が増加していることに触れ、植物性食品業界の成長の兆しだと述べました。

Kantar World Panelが2021年に行った調査によると、フランスでフレキシタリアンが一人以上いる家庭は49%に上り、2015年の25%からほぼ倍増しています。

持続可能性への取り組みに注力


カルフールは、2018年にパリに新規オープンした店舗の3分の1を、ヴィーガン、グルテンフリー、オーガニック製品に割り当て。加えて、V-Label認証*1 の植物性代替肉と調理済みヴィーガン食のシリーズ、「Carrefour Veggie」をデビューさせました。

さらに、植物性食品を扱うスタートアップ企業を対象としたコンペ「Plant Based Contest」を立ち上げ、イノベーションの紹介と製品のプロモーションを行う機会を提供。入賞企業の製品を、店舗の棚に並べています。

昨年の受賞者には、植物性ベーコンを手掛けるパリのLa Vie Foods、スペインの菌糸体ベーコンメーカーLibre Foods、韓国の植物性代替肉・シーフード企業UNLIMEATなどが名を連ねました。

昨年には、ユニリーバの「The Vegetarian Butcher」ブランドと協働し、フランス初のヴィーガン向け精肉店をオープン。また、持続可能性への取り組みの一環として、2021年に再利用可能な包装材を扱うスタートアップ企業のLoopと提携し、リターナブルな包装ソリューションを消費者に提供しています。

*1 European Vegetarian Union(欧州ベジタリアン連合)による、ヴィーガン製品に付される認証マーク

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