米Nature’s Fyndが、アニマルフリーのクリームチーズをWhole Foods Marketの一部店舗で販売開始

菌類由来のタンパク質を用いて代替肉・乳製品を製造する米Nature’s Fynd(旧称:Sustainable Bioproducts LLC)が、米国の大手スーパーWhole Foods Marketの一部店舗で、新製品のクリームチーズを発売したと発表しました。

新発見の微生物を用いる独自技術


新製品「Dairy-Free Cream Cheese」は、アレルギーの元となるナッツ・大豆不使用で、ユダヤ教のコーシャ認証を取得。人工香料や保存料も一切使用しておらず、なめらかで伸びが良いのが特徴です。味も従来のクリームチーズに匹敵する味わいで、どんなレシピにも代用可能。

Nature’s Fyndが発酵のベースに用いるのは、米国のイエローストーン国立公園の間欠泉に生息する極限環境微生物Fusarium strain flavolapis)。同社がNASAの支援を受けて実施した、極限環境における生命に関する研究で発見されました。これを発酵させて得られる代替プロテイン製品「Fy Protein」は、クリームチーズのほか、代替肉のパティにも加工されます。

菌類を用いて代替プロテイン開発を行う企業は、固体発酵液体発酵のいずれかを利用するのが通常。

固体発酵は、菌を植え付けた固体表面上で微生物を増殖させるもので、主にバイオマス発酵で利用される技術。液体発酵は、増殖の舞台に液体培地を用いるもので、こちらはバイオマス発酵・精密発酵の両方で一般的です。

一方、Nature’s Fyndは、液体と空気の界面で発酵させる独自技術を用いて、液面上でバイオマス発酵を行っています。

米国・カナダで認可を取得


同社はすでに「Meatless Breakfast Patties」を、昨年より米国全土のWhole Foods Marketで展開。消費者への菌類ベースの食品の浸透が進みつつある中で、クリームチーズの新たな全国販売は、同社にとって重要なマイルストーンとなります。

米国の元副大統領で環境活動家でもあるアル・ゴアがリードインベスターとなっている資金調達では、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾス、リチャード・ブランソン、マイケル・ブルームバーグといった資産家からも支援を受けており、累計5億1,000万ドル(約764億円)の調達に成功。

Fy Proteinはすでに米国食品医薬品局(FDA)GRAS認証を取得しており、今年8月にはカナダ保健省からの販売認可も取得しました。

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