SuperMeatが約9.5億円の資金調達に成功、スイスでの培養鶏肉の展開に向け認可申請へ

イスラエルの培養肉企業SuperMeatが、ロンドン証券取引所に上場している投資会社Agronomicsが主導したシリーズA4ラウンドの初回クローズで、600万ドル(約9億5,100万円)の投資を確保しました。

1,000万ドルの調達を最終目標に設定


Agronomicsは、現金ではなく自社株の新規発行により、全調達額のうち500万ドルを出資しました。残りの100万ドルは、関連会社のNew Agrarian Companyが現金で出資しています。

今回のラウンドは1,000万ドル(約15億8,000万円)が最終的な目標額に定められており、Milk & Honey Venturesや既存投資家の参加を確保して引き続き投資を募ります。

Agronomicsの新株発行価額は、2025年12月31日時点の同社の1株あたり純資産(BPS)に基づき、1株あたり13.78ペンス(約29円)。発行済み株式には1年間のロックイン期間(売却ができない期間)が適用され、資金調達完了後、AgronomicsはSuperMeatの株式の約27.8%(完全希薄化ベース)を保有することとなります。

細胞農業分野に特化して支援を行うAgronomicsは2020年12月にSuperMeatに初めて投資し、それ以来、投資額は累計で1,520万ポンド(約32億1,000万円)に達しています。

AgronomicsのJim Mellon会長は、「SuperMeatのシリーズA4ラウンドは、同社の発展における重要な一歩であり、商業展開に向けた着実な進歩を反映したものだ。2020年以来支援を行ってきたが、同社はライセンス主導型の戦略を推進する上で有利な立場にあると確信している」と述べました。

認可を得て、スイス市場でデビューを目指す


SuperMeatは、今回の調達資金をライセンス主導型の商業化戦略の推進に活用する予定で、最初のターゲット市場としてスイスを選定しました。当面の優先事項には、商業規模でのプロセスの検証、スイスの規制当局への申請準備、消費者の検証調査などを挙げています。

これらの一環として、2022年に味の素と研究開発・技術開発に関する枠組み協定を締結しており、スイスの小売り大手ミグロ(Migros)の子会社であるMicarnaとのパートナーシップ契約を延長しました。

計画されている取り組みには、味の素と共同での製品開発や、スイス当局への申請に先立ってミグロが主導する消費者調査の実施が含まれます。

SuperMeatはここ2年余りで技術を大きく発展させ、複数のマイルストーンを達成してきました。安定した細胞株、完全アニマルフリーの培地、迅速な細胞分化プロトコルの組み合わせによって、低コスト化に成功。

2024年11月には、100%培養鶏肉を大規模生産のレベルに引き上げた場合、1ポンドあたり約11.79ドル(キロ単価約4,120円)での生産が可能と発表しました。この価格は、米国における高級放牧鶏の価格とほぼ同等です。

また、CE Delftが実施したライフサイクルアセスメントでは、SuperMeatの培養鶏肉は、従来の鶏肉に比べてCO₂排出量を約50%削減できると推定され、環境面でのメリットも実証されています。

参考記事:
Agronomics leads US$5m investment in SuperMeat – ANIC News article | London Stock Exchange
Agronomics Backs SuperMeat With $5M as Cultivated Chicken Push Targets Switzerland
SuperMeat secures US$6 million Series A-4 funding to advance cultivated chicken launch in Switzerland | PPTI News

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