英国のAdamo Foodsがクリーンラベルの菌糸体ステーキ発売に向け、約3.7億円のシード資金を調達

英国を拠点とするフードテック企業Adamo Foodsが、シードラウンドで250万ドル(約3億7,200万円)の調達を完了しました。

プレシードラウンドで150万ポンド(約2億8,700万円)を確保した昨年に続く資金調達に成功しています。

高まるクリーンラベルへのニーズに対応


同ラウンドは、Future Planet Capitalが運営するUK Innovation Science and Seed Fund(UKI2S)Joyful Venturesが、共同でリードインベスターを務めました。

この資金調達によりAdamo Foodsは、パイロットスケールへと生産規模を拡大させ、菌類をベースに限りなく従来の食肉を再現したステーキ肉の提供という目標に向け歩を進めます。

植物性代替肉の売り上げが落ち込む中、消費者の間ではより美味しく信頼性の高いクリーンラベル製品のニーズが高まっており、超加工食品には80%以上が懸念を抱いているという調査結果も。

同社の製品は、急成長する菌糸体の分野をリードし、世界の食肉消費量の85%を占めるホールカット肉市場にイノベーションをもたらし得るものです。

菌糸体ステーキの試験販売を目指す


Adamo Foodsは、バイオマス発酵により菌糸の長い繊維がぎっしり詰まった構造を形作り、ホールカット肉の筋繊維構造を忠実に再現。

メチルセルロースなどの人工的な結着剤は一切使用せず、わずか5種類の天然原料から、柔らかく風味豊かな代替ステーキを作り出しました。

タンパク質と食物繊維の含有量が多い一方、コレステロールは含まれず、栄養面でも優れた製品。さらに、従来の牛肉生産と比べて温室効果ガス排出量を93%削減できるといいます。

同社の革新的なアプローチは高く評価されており、Grocerが選ぶ「世界を変える英国のスタートアップ企業8社」や、Tech.euの「2024年に注目すべき欧州のフードテック企業10社」にも名を連ねました。

パイロット生産に続いては、英国内で初の製品の試験販売、さらには欧州全域での広範な展開に向けて準備を進めています。

参考記事:
Adamo Foods raises £2m for ‘ultra-realistic’ steak alternative | The Grocer
Adamo Foods nets US$2.5 million to bring clean-label mycelium steak to market | PPTI News

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