オランダのMeatableが2度目の培養ポーク試食会を実施、2024年の発売を予定

培養ポークを手掛けるオランダのMeatableが先月末、メディアや関係者を対象とした試食会をシンガポールで開催しました。

小売パートナーやSingapore Economic Development Board(シンガポール経済開発庁)を招待した5月の第1回試食会に続き、培養ポークとソーセージ製品のデモンストレーションを実施。2024年半ばのシンガポールでの発売を見据え、歩みを進めています。

植物由来原料とのハイブリッド製品が好評


Meatableの代替肉は、シンガポールを拠点とするLove Handleとの協働により開発された、細胞培養肉と植物由来原料のハイブリッド製品。試食会では、培養肉を10~50%含む複数の試作品が紹介されました。同社COOのCarolien Wilschutは、「今はまだ色々なレシピを試し、最適化を図っている段階」としています。

試食会に参加した『The Straits Times』紙のLynda Hongは、「通常の豚肉とMeatableの培養ポークの違いは見分けられないほどだ」と書いています。繊維質が少なく、口の中で溶けるのがやや速いものの、周りのソースや肉自体の豊かな風味によってカバーされていたとのこと。

Meatableは前回も、シンガポールやその他の地域で、今後より多くの製品の試食会実施を検討していると公表していました。細胞培養品の試食提供は、イスラエルや米国と同様、シンガポールでも認可されていますが、試食会の開催にはその都度シンガポール食品庁(SFA)の安全認可が必要。

SFAは今年7月、Mosa MeatHollandBIO、そしてオランダ政府と協力し、オランダで培養肉の試食提供を行う際の「実践規範」を作成しました。これを受け、オランダでも年内に初の試食会が開かれる見込みです。

オランダに保有する自社工場での生産へ


Meatableは昨年10月、規制当局の認可を受けた世界で唯一の培養肉工場を持つ、シンガポールのESCO Asterと提携。今年8月にはシリーズBラウンドで3,500万ドル(約52億3,000万円)調達し、累計調達額を9,500万ドル(約142億円)まで増加させました。

ESCO Asterの受託工場、Love Handleと共同の生産施設に加え、同社はオランダ・ライデンにも自社工場を建設中。これまで使用していた50リットルのバイオリアクターからスケールアップさせるべく、生産移管を進めている最中だといいます。

すでにシンガポール(米国と並んで培養肉の販売を認めており、GOOD Meatの培養チキンを承認済み)で規制当局の認可申請を行っており、2024年半ばを目処にレストランでの販売開始を目指しています。

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