米Impossible Foodsが米国心臓協会(AHA)の認証を取得、心疾患のリスク低減をアピール

植物性代替肉大手のImpossible Foodsが、自社製品「Impossible Beef Lite」について、米国心臓協会(AHA)のHeart-Check認証を取得したと発表しました。

心臓病が主要な死因となっている米国


人口の3分の2以上(69%)が太りすぎで、36%が肥満ラインに含まれる米国。肥満との関連性が高い心臓病は、同国における主要な死因(20%)となっており、心臓の健康に対する注目度は高まっています。

国際食品情報評議会(IFIC)が米国の1,022人を対象に実施した調査では、食品を購入する際に重視する指標(複数回答可)に「健康」を挙げた人は62%であり、「味」(87%)に次ぐ要因となっていました。

また、Ingredionの調査では、消費者の78%が「natural」や「all-natural」を謳った製品により高い金額を支払う意思を示すことが明らかになっており、Impossible Foodsの植物性代替肉のような製品に健康面でのメリットを示唆する表示を行うことは、消費者にとって最も魅力的に映ると考えられます。

代替肉は不健康?消費者の認識に変化も


しかしながら、植物性食品の健康面に関しては、消費者の認識にやや変化が見られます。昨年行われたFood Marketing Instituteの調査によると、2020年には米国人の50%が植物由来の肉はヘルシーだと考えていましたが、この割合は2022年には38%に減少。

加工の多さや長すぎる成分リストが食肉業界の利益団体などから絶えず批判されており、植物性代替肉は過度に加工されている不健康であるなどといった誤解が、カテゴリー全体の売上低下の一因ともなっている様子です。

Impossible Foodsと同じく植物性代替肉を手掛ける米Beyond MeatのCEO、Ethan Brownも「消費者を呼び戻すには誤解を解くことが重要」とし、10月以降「This Changes Everything」キャンペーンを展開して、自社製品に関する誤解を払拭しようとしています。

心血管疾患のリスク低減をアピール


Impossible Foodsが今年発売した「Impossible Beef Lite」(Liteは「低カロリー」「低脂肪」を意味する)は、90%赤身肉・10%脂肪の牛肉の代替として開発された製品で、味よりも栄養を優先する健康志向の消費者をメインターゲットとしたもの。

同社は、「両極端の商品を用意して製品ポートフォリオを多様化させ、消費者のさまざまなニーズに応えることで、植物性代替肉をより身近に感じてもらいたい」としています。

米国心臓協会(AHA)は、狭心症や心筋梗塞といった心血管疾患のリスクを減らすため、消費者の食生活において飽和脂肪酸を制限し、トランス脂肪酸をなくすことを推奨。

この点、「Impossible Beef Lite」は飽和脂肪酸が75%、総脂質が45%少なく、1食あたり21gのタンパク質に加えて鉄分やビタミンB群も豊富に含む一方、トランス脂肪酸やコレステロールは含んでいません。

今回の認定により、Impossible Foodsは、AHAの製品リストに掲載された2番目の代替肉ブランドとなりました。同業のBeyond Meatは、「Beyond Steak」と「Crumbles」シリーズの各製品ですでにHeart-Check認証を取得しています。

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