Chunk Foodsが業界初のケトジェニック認証を取得、2兆円規模の市場を狙う

イスラエル発、米国に本社を置くフードテック企業のChunk Foodsが、植物由来のホールカットステーキでケトジェニック認証を取得したと発表しました。
2兆円規模の市場に参入

10月に小売り発売されたChunk Foodsの4種類の製品(左写真)には、今後ケトジェニック認証のマークがパッケージに付される予定。これらの製品は25~31gのタンパク質を含み、炭水化物は6g以内(主に繊維質)に抑えられています。
同社によると、植物由来のホールカット肉製品がケトジェニック認証を受けたのは今回が初めて。ユニークな差別化要因を得て、125億ドル(約1兆9,600億円)規模のケトジェニックダイエット市場に参入しました。
ケトジェニック認証を受けるには、マルチトールやソルビトールなど代謝への影響が知られている糖アルコールが含まれていてはならず(エリスリトールなど一部は最大15gまで可)、砂糖の総添加量は2g以下に抑えることが必須。主要栄養素の比率は最低1対1(タンパク質と炭水化物1gに対して脂肪1g)であるのが条件とのことです。
これら原材料の検査に加えて血液検査が行われ、摂取した後の代謝反応が基準を満たしていないと認められません。
Chunk FoodsのCEOを務めるAmos Golanは、「当社の製品は砂糖を添加しておらず、結着剤や添加物、保存料も使用していない。このため高タンパク・低炭水化物を維持することができ、ケトジェニックダイエットを実践している人にとって理想的だ」と語っています。
米国ではメジャーなダイエット法に
ケトジェニックダイエットとは、タンパク質と健康的な脂質を多く取る一方で、炭水化物と糖質の摂取量を減らし、身体を「ケトーシス」(ブドウ糖の代わりに脂肪をエネルギー源として燃焼させる)状態にする食事法。
人体に備わっているメカニズムを利用した効率の良いダイエット法として注目され、カロリー不足で体調不良を招くなど一定のリスクも指摘されているものの、実践する人は増加しています。
特に米国では、20歳以上の4分の3近くが肥満、子供と10代の若者の5人に2人が糖尿病予備軍とされており、多くの人が体重と血糖値を管理するため低炭水化物ダイエットを行っているとのこと。
2024年の時点で、ケトジェニックダイエットを含む低炭水化物ダイエットを実践している米国人の割合は16%に上り、今年新たにダイエットを始めたいと考えている米国人(46%)のうち、4人に1人が低炭水化物ダイエットを検討中と答えています。
また、ケトジェニックに関する昨年の研究で、2型糖尿病の治療薬として処方されているGLP-1受容体作動薬の使用を中止した患者の体重減少を維持するのに役立つとの結果が出たものもありました。このことからも、ケトジェニック認証ラベルの付いた製品は、大きな魅力を持つ可能性があります。
2025年を「重要な年」と位置付け
発酵させた大豆と小麦のタンパク質をベースにステーキを製造するChunk Foodsは、昨年初めに750万ドル(約11億7,000万円)を調達。俳優のレオナルド・ディカプリオも支援するチェーン店「Neat Burger」など、全米のレストランのメニューに登場しています。
同社は2025年を極めて重要な年と位置付けており、製品ラインアップの追加と、小売り・外食市場におけるプレゼンスの大幅な拡大を行う計画。
米国だけでなく、カナダでの外食事業の拡大とオンラインストア「Vegan Supply」での発売、メキシコをはじめとする中南米市場におけるBetter Balanceとの提携拡大、イスラエルのスーパーマーケットやレストランでの発売を進めます。
参考記事:
Chunk Foods Expands With the ‘World’s First’ Keto-Certified Vegan Steak | VegNews
Vegan Whole-Cut Meat Startup Eyes $12.5B Keto Market With ‘Industry First’ Certification
Standards – Ketogenic Certified
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