スイス企業SentiaNovaがステルスから脱却、植物性タンパク質の不快な臭みを取り除く前処理技術を開発

スイス・チューリッヒのスタートアップ企業SentiaNovaが、植物性タンパク質の臭みを除去する前処理技術を携えて、ステルスモードから脱却しました。植物性食品業界で最も一般的な課題の一つである味の改善に加えて、全体的なコスト削減の効果も期待されています。

植物性タンパク質特有のオフフレーバーを除去


SentiaNovaが開発した特許技術は、加工前の植物性タンパク質からオフフレーバーを除去したベースを形成することで、クリーンラベル製品の開発を可能にするものです。

同社の最初の製品は、エンドウ豆タンパク質濃縮物。現在はサンプル提供がなされており、年内に商業規模での生産開始を見込んでいます。その後、エンドウ豆タンパク質分離物も発売する予定です。

共同創業者でCEOのDaria Reischは、「タンパク質の需給ギャップを植物性タンパク質で解消するための条件がようやく整った。加工能力が構築され、欧州全域でタンパク質の自給自足と窒素固定を目的とした豆類栽培へのインセンティブが強化され、需要拡大も加速している。最後の障壁は味だったが、当社はそれも取り除くことができた」と述べています。

代替肉は、動物性タンパク質に比べて不快な後味やオフフレーバーが発生する頻度が5~6倍高く、風味の問題は植物性食品の普及を阻む最大の障壁となってきました。

昨年米国で実施された味覚テストでは、平均的な代替肉製品を好む人はわずか30%と、従来の肉に対して好意的な意見を持つ人(68%)に比べて少なくなっています。

SentiaNovaは、植物性タンパク質の苦味や豆臭さ、青臭さをマスキングするのではなく、濃縮・分離工程の前に除去する手法を開発。クリーンでニュートラルな原料ベースが得られ、分散性・保水性・乳化性といった機能特性も向上させるこの技術は、エンドウ豆以外の豆類にも適用でき、既存の豆類タンパク質製造システムに統合が可能です。

官能評価で優れた結果が得られ、コスト削減効果も


SentiaNovaは、技術の有効性を証明するため、独立した機関によるエンドウ豆タンパク質濃縮物の官能評価を実施。その結果、市場に出回っているほかのエンドウ豆タンパク質製品(臭みを消した製品で、濃縮物と分離物の両方を含む)を上回る性能が示されました。

訓練を受けた12名の官能評価員からなるパネルは、同社の成分が、全体的なオフフレーバーに関して99%の信頼度で統計的に有意な効果を示した唯一の成分であると評価。さらに、苦味、渋味、青臭さについても、一貫して有意な低減が認められています。

この評価ではまた、配合コストへの影響も定量化しました。バニラプディングの製造において、現在市場で最もニュートラルな濃縮物をSentiaNovaのタンパク質に置き換えたところ、コストが15%削減されたとのこと。その要因は、マスキング剤の完全な排除と、高価なバニラ香料の使用量削減(1%から0.8%)によるものです。

SentiaNovaは、先週ローザンヌで開催された「HackSummit」で、自社開発の原料を正式に発表。試食会では、参加者がエンドウ豆タンパク質濃縮物をベースにした3種類の完成品(バニラプディング、プロテイン飲料、プロテインボール)を試しました。この濃縮物は白色をしており、高い分散性と優れた機能性を実証したといいます。

同社は、既存の豆類タンパク質メーカーとの提携によって、運用コストと設備投資を抑えた生産モデルを作り上げ、短期間での大量生産を可能にしました。主要市場で規制当局の承認を必要としない原料のため、早期の商業化を見据えた製品開発を計画できる点が強みです。

Reischと共に創業に携わったCTO(最高技術責任者)のRoi Wurgaftは、「26年間にわたって植物性タンパク質製造施設の立ち上げに携わってきたが、多くの興味深い技術が採算性の問題で失敗に終わるのを見てきた」とコメント。「だからこそ、SentiaNovaをこのような形でスタートさせた。業界が求めているのは、手頃な価格でクリーンな味わいを提供することであり、それ以外のことはすべて二の次だ」と話しています。

参考記事:
SentiaNova | LinkedIn
SentiaNova emerges from stealth to tackle plant protein’s taste problem
Plant-Based Proteins Have A Taste Problem – This New Startup Has A Fix
SentiaNova launches patented pea protein technology to remove off-flavors and cut formulation costs | PPTI News

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