フランスで新たな発酵プロジェクトが始動、麦芽からカカオ代替品を作る可能性を探る

フランスの大手麦芽メーカーSoufflet Maltが、研究イニシアチブFerments du Futurとの共同で、発芽穀物を用いた固体発酵によりカカオの代替品を生産する18カ月間の研究プロジェクトを開始しました。

麦芽の発酵でカカオの芳香成分を再現


今年初めに開始されたこのプロジェクトは、世界最大の麦芽メーカーとして知られるSoufflet Maltの業界における知見と、Ferments du Futurの研究能力を融合。大麦麦芽や小麦などの発芽穀物のみを原料として使用し、固体発酵によってカカオに似た芳香成分を生成することを目指しています。

このプロセスでは、発芽穀物上で微生物を培養。カカオの芳香特性をマッピングして微生物株を選別し、発酵条件を最適化して最大10リットル規模で発酵を行います。

Soufflet Maltはラボスケールでの研究に加えて、研究開発施設で4トンのデモ生産設備を稼働させ、菌株の生産性や発酵条件の大規模な検証と、顧客向けサンプルの準備を行う予定です。

同社はカカオを、開発するプラットフォームの最初の応用例と位置付けていますが、抗酸化物質やビタミンを豊富に含む化合物など、食品用途向けにさまざまな原料の生産が可能とのこと。今後、新規の香料や生物活性分子の生産にも同じ技術を応用していく計画です。

重要性を増す持続可能なカカオ代替品


Ferments du Futurは、フランス国立農業・食料・環境研究所(INRAE)フランス食品産業協会(ANIA)が支援する官民連携パートナーシップとして、2022年に設立されました。40の企業が参加し、当初の予算として4,830万ユーロ(約89億5,000万円)を確保しています。

今回の共同研究に至った背景には、カカオサプライチェーンへの圧力が高まり続けていることがあります。気候変動による供給途絶の影響で、昨年カカオ価格は6倍に高騰し、代替品に対する需要が大きく加速しました。

本プロジェクトは、気候変動の影響を受ける農産物に代わる持続可能な代替品の、研究から市場化への移行を加速させることを目的としたもの。こうした代替品は、どの製造業者にとっても日々重要性を増しています。

Soufflet Maltの最高成長・イノベーション責任者Laurent Debandeは、「カカオのバリューチェーンが現在直面している課題を考えると、新たに持続可能なソリューションを開発するには、公的研究機関と産業界のイノベーションとの連携が不可欠だ」と述べています。

同社は、20カ国に40の製麦工場を保有し、年間生産能力370万トンを誇る広範な事業基盤を生かして、代替カカオ開発の動きを最大限に活用できる立場にあります。

参考記事:
Malt Fermentation Explored as Route to Cocoa Alternatives in New French Research Project
Soufflet Malt and Ferments du Futur launch project to develop cocoa alternatives through solid-state fermentation | PPTI News
Soufflet Malt and Ferments du Futur partner on fermented cocoa alternatives | FoodBev Media

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