インドのBiokraft Foods、3Dプリント培養魚の開発で研究機関ICAR-DCFRと提携

インドの培養肉スタートアップBiokraft Foodsが、同国市場で重要な商業的価値を持つスノートラウト(コイ科の魚類)とニジマスの培養製品の開発に向け、冷水魚の研究を行う政府系の専門機関ICAR-Directorate of Coldwater Fisheries Research(ICAR-DCFR)との戦略的提携を発表しました。

ICAR-DCFRが培養の元となる細胞株を開発し、Biokraft Foodsはカスタマイズされたバイオインクを用いる3Dバイオプリンティングにより最終製品を作ります。

培養鶏肉から培養魚に水平展開


経済都市ムンバイに本社を置くBioKraft Foodsは、3Dバイオプリンティングを用いた培養鶏肉の開発に注力する数少ない企業の一つです。

鶏卵から抽出した細胞を不死化し、培養液中で繰り返し分裂させた後、バイオポリマー製の足場上に移して3次元培養を開始。こうして得られた細胞を含んだバイオインクを作製し、3Dプリンターで肉の構造を再現します。

同社が昨年明らかにした開発ロードマップには、2024年半ばまでに培養鶏肉のMVP(顧客に必要最低限の価値を提供する製品)を作ることが含まれていました。また、2025年末までに研究開発と生産を行う拠点を設立し、2026年までの商業化を目指す計画も明らかにしています。

このたび、培養鶏肉と並行して、インド農業省に属する研究組織ICAR-DCFRと共同で培養魚開発プロジェクトに着手。

Biokraft Foodsを創業したKamalnayan Tibrewalは、「かつて丘陵地帯の渓流に多く生息していたスノートラウトは、乱獲によって絶滅の危機に直面している。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにも掲載されているように、この貴重な種を保護するために早急な対策が必要であることは明らかだ」とコメントしました。

また、美味と栄養価の高さで有名なニジマスも、培養シーフード生産において大きな可能性があるとしています。

細胞性食品の規制枠組み制定が進むインド


新技術によるタンパク源の多様化に取り組んでいる機関はICAR-DCFRのほかにもあり、インド科学技術省バイオテクノロジー庁や、CSIR細胞分子生物学センター(CSIR-CCMB)が、培養肉研究への支援を実施。

インド農業・農民福祉省管轄のCentral Marine Fisheries Research Institute(CMFRI)は、培養肉企業Neat Meatt Biotechとの協働で、今年に入って培養魚開発プロジェクトを立ち上げました。

同国における新規食品の規制を担当するインド食品安全基準局(FSSAI)は、すでに培養肉・シーフードなどの細胞性食品に係る規制枠組みの制定に取り組んでいます。

FSSAIは以前、インドにおける培養肉の規制経路を検討するため、法規制および科学の専門家からなるワーキンググループを設置していましたが、この枠組みを「よりダイナミックにし、イノベーションと連動して進化させる必要がある」と本格的な検討を開始しました。

GFI IndiaのSneha Singhによると、インドは成長因子、組み換えタンパク質、脂肪、可食性足場など細胞培養に必要な原料の供給国になる準備が整っているといい、MyoWorksMAAT BiotechFermboxLaurus Bioといった細胞農業や製薬向けの原料・ソリューションを提供するスタートアップ企業が複数存在しています。

参考記事:
Biokraft Foods Partners with ICAR-DCFR for Cultivated Trout Products in India
Biokraft Foods Is Using 3D Bioprinting to Create the Meat of the Future
India to Set Regulatory Framework to Move Forward Cultivated Meat & Seafood
India Working on Regulatory Framework for Cultivated Meat & Seafood: Report

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