植物性シーフードの開発に注力するSteakholder Foods、世界初の3Dプリント植物性エビを発表
イスラエルに拠点を置く培養肉と3Dバイオプリンティング技術のリーダー企業Steakholder Foodsが、世界初となる植物由来の3Dプリントエビを発表しました。
昨年末のウナギに続き2例目の開発に成功
Steakholder Foodsのチームは、シーフード用に特別に開発された「DropJet」プリンターと、自社開発したエビ風味のインクを用いて、精密な層を重ねていくプリント技術により代替品を製造。
インクの原材料は公表されていませんが、エビの食感と風味をよく再現した、本物に近い製品となっている様子です。
同社は当初、生体材料を用いて立体的な生体組織を成形する、3Dバイオプリンティングを手掛けるパイオニア企業として開発を進めていました。
2021年には世界最大サイズの3Dプリント培養ステーキを発表し、昨年にはシンガポール企業のUmami Bioworksと、同じく3Dプリントによる培養ハタの切り身を共同開発。
しかし、現段階では製造コストの低下が難しいことから、一旦植物性食品に軸足を移しており、昨年末の3Dプリント代替ウナギの発表により、植物性食品で初の製品開発を成功させています。
当面の間、植物ベースの3Dプリントエビを潜在顧客に提供し、いずれ細胞培養プラットフォームの規模拡大により価格競争力のある製品の製造が可能になり次第、培養細胞と植物タンパク質を組み合わせた「ハイブリッドエビ」を発売する計画です。
今年はB2Bのプラットフォーム供給開始も
600億ドル(約8兆8,600億円)以上とも評価される、世界のエビ市場。漁獲量・生産量ともに増加傾向にあり、今後数年間で大幅な成長が見込まれています。
Steakholder Foodsは、大規模で効率的、かつ持続可能な生産により、この需要の高まりに対応することを目指しています。
培養肉や代替肉の開発に加え、同社は昨年、食肉メーカーや培養肉メーカーに3Dバイオプリンターとバイオインク(生物由来のインク)をB2B供給する、新たなビジネスモデルを立ち上げ。
美味しくて栄養価が高く、安全な代替肉のより迅速な製造を可能にし、代替プロテイン業界全体の発展に寄与できるとしています。
同社CEOのArik Kaufmanは、「今年はパートナー企業に当社のDropJetプリンターの販売・納入を開始したい」と述べています。
参考記事:
Steakholder Foods Unveils the World’s First 3D Printed Plant-Based Shrimp
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