英Meatly、ロンドンに2万リットル規模の培養肉工場を建設するため、シリーズAラウンドで約22億円を調達

英国の培養肉企業Meatlyが、ロンドンに2万リットルのバイオリアクターを備えたパイロットプラントを建設するための資金として、シリーズAラウンドで1,040万ポンド(約22億2,000万円)を調達しました。

来年にも新工場からの供給開始を予定


Meatlyは、創業以来の投資家であるAgronomicsとPets at Homeから700万ポンド(約15億円)を調達したシードラウンドに続く、資金調達に成功。

今回はドイツ・ハンブルクを拠点とするフードテック・アグリテック専門のOyster Bay Venture Capital、気候変動対策技術を専門にする英国のClean Growth Fund、そしてInnocent Drinksの創業者らが出資するロンドンのJamJar Investmentsが参加しました。

計画されている新施設は、完成すれば欧州最大の培養肉生産拠点となるもの。敷地の整備が間もなく開始され、ペットフード市場向けの供給開始は2027年を予定しています。

Meatlyは2024年に英国で規制当局の認可を取得し、2025年には培養鶏肉を使用した製品「Chick Bites」の試験的な小売り販売を実施。世界で初めて培養ペットフードを発売した企業として、市場で独自の地位を確立しています。

同社は生産コストの削減を最優先の技術課題として取り組んでおり、昨年、血清をはじめ動物由来の成分を一切含まないタンパク質フリー培地のコストを1リットルあたり22ペンス(約47円)まで下げることに成功し、産業規模ではさらに同1.5ペンス(約3円)まで削減できると発表しました。

また、容量320リットルのバイオリアクターを用いて、試運転と最初の細胞増殖試験を完了。バイオリアクターの費用はわずか12,500ポンド(約267万円)で、最大25万ポンド(約5,340万円)かかる従来のリアクターに比べて95%も安価です。

新しい食肉生産方法の基盤を築く


MeatlyのCEOを務めるOwen Ensorは、「当社の唯一の目標は、培養肉の商業化を実現することであり、過去4年間にわたって主要コストの削減と、成長のための強固な技術基盤の構築に体系的に取り組んできた。そして業界をリードする独自技術を確立した今、事業を拡大する準備が整った」とコメントしました。

Oyster Bay Venture Capitalの投資家Elise Schumacherは、「培養肉は今日、最も持続可能で倫理的な食肉生産方法の一つとして台頭しつつある」とした上で、Meatlyが「全く新しいタンパク質カテゴリーの基盤を築いている」と評価。

「科学技術を進展させてペット向けの初期小売り販売に至るまで、Meatlyはコンセプトから実用化へと着実に前進する能力を明確に示しており、欧州全域、ひいては世界規模の事業拡大への道筋をつけた」と述べました。

Clean Growth Fundの投資マネージャーConnor Duffyは、投資判断の核心としてコストの推移を挙げ、「タンパク質の生産方法を見直すことは、気候危機への対策に不可欠だ。Meatlyに投資したのは、同社が本物の肉をコスト競争力のある価格で、かつ環境負荷を大幅に軽減して生産できる可能性を示しているからだ」とコメント。

Agronomicsの会長で創業当初からMeatlyに投資を続けてきたJim Mellonは、「持続可能で高品質なタンパク質の市場機会は非常に大きいが、この分野での成功は最終的に生産コストの低下にかかっている。Meatlyのチームは、自社製バイオリアクターの構築、独自の培地の開発、そして規模拡大に必要な要素に注力することで、この課題を着実に克服してきた」と述べています。

参考記事:
Meatly secures £10.4m Series A to build pilot facility – Meatly
Meatly Secures £10.4M Series A for 20,000-Litre Cultivated Meat Plant in London
Meatly raises £10.4M to build Europe’s largest cultivated meat bioreactor facility in London – Tech.eu

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