フランスのVital Meat、シンガポールで培養チキンの認可申請を実施

フランスのナントに本社を置くVital Meatが、自社の培養チキン「Vital Chicken」の新規食品としての認可申請を、シンガポール食品庁(SFA)に提出したと発表しました。

販売が認められた初の欧州企業となるか


シンガポールの食品関連規制を管轄するSFAは、2019年に新規食品規制の枠組みを導入し、企業に自社製品に係る安全性評価の提出を義務付け。これに従い、米国のGOOD Meatが2020年12月に培養チキン、翌年12月に別の鶏肉で販売認可を取得しました。

以来、Aleph FarmsVowBLUU SeafoodMeatableなど各国の企業がシンガポール市場での商品化を目指しており、厳しい新規食品規制に悩まされる欧州の企業が、初めの展開先としてターゲットに据えるケースも多くなっています。

Vital MeatのCOOを務めるOlivia de Talancéによると、申請書類の準備には「数カ月のハードワーク」が必要だったとのこと。無事に申請書類を提出できたことは、「細胞株の安全性と安定性、生産プロセスの品質、ヒトの健康に対する安全性(遺伝子組み換え原料・動物由来化合物・抗生物質不使用)、大量生産体制の確立」を証明するものと説明しています。

今後数カ月で正式な認可が下りると期待しており、もし近くVital Meatが認可を取得すれば、シンガポール市場での販売が認められた初の欧州企業となる可能性があります。

生産規模を拡大しB2B供給を予定


バイオテクノロジーを駆使して食肉に代わるタンパク質を開発するべく、Etienne Duthoitにより2018年に設立されたVital Meat。安全かつ安定した細胞株を用いて、スケーラブルでコスト効率の高いプラットフォームを開発したと主張しています。

Vital Chickenは安全基準を満たすだけでなく、9種類の必須アミノ酸、鉄分、ビタミンB12といった必須栄養素を含んでおり、味はもちろん従来の鶏肉と同じ。

同社は、細胞培養において、同じフランスの培地メーカーBiowestが開発した無血清培地を使用。生産規模拡大のマイルストーンを達成し、製品を発売する準備が整ったとしています。

当初はB2B市場に重点を置き、高品質のハイブリッド肉製品の原料としてVital Chickenを提供する計画です。

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