米MycoTechnologyがB2Bの発酵サービス事業を開始、企業のスケールアップを支援
菌糸体を用いた発酵によりタンパク質原料を生産する米MycoTechnologyが、製品開発や生産を検討している他企業に対して発酵サービスをB2Bで提供する、FaaS(Fermentation as a Service)プラットフォームの立ち上げを発表しました。
企業の発酵事業のスケールアップを支援
米・コロラド州にあるMycoTechnologyの生産施設では、発酵タンクに加えて、スプレードライヤーなど下流プロセスの設備を保有。ラボスケールから大規模生産まで対応可能な体制を構築しています。
FaaSプラットフォームは、300リットル・3,000リットル・90,000リットルの発酵タンクを有しており、低い酸素移動速度(OTR)が求められる発酵用途に最適。
タンパク質から酵素、プロバイオティクス*1 まで、幅広い製品の生産を対象に、発酵事業を手掛ける企業のスケールアップを支援します。
同社CTOのRanjan Patnaikは、「スケールアップには困難が伴うもので、発酵生産能力の確保を巡る熾烈な競争は、生産の遅延やコスト上昇を招いている。当社の施設を他社に開放することで、ブレークスルーを促進し、技術革新のペースを加速させたい」と語りました。
CEOのAlan Hahnも、「これまで、自社製品を生産する効率性を高め、生産能力を最大化することで当社は大きな飛躍を遂げてきた。これからは、固定資産から収益を上げることで、独自技術の研究に資金を供給し続けられるだろう」と述べています。
すでに数十社からの問い合わせがあり、試験生産を開始するべく数社と話し合いを進めているとのことです。
*1 腸内に存在する、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌。腸内環境の改善、免疫機能の強化などの効果がある。
伝統発酵、バイオマス発酵の両方に取り組む
MycoTechnologyは、政府系ファンドのオマーン投資庁(Oman Investment Authority)やNourish Venturesなどから2億2,000万ドル(約33億円)を得て、菌糸体と伝統的な発酵技術を合わせた製品を開発。
タンパク質原料「FermentIQ」と天然香料「ClearIQ」を商品化しており、前者はEUの新規食品(Novel Food)認証を取得しています。
これらに加えて、100%菌糸体ベースの代替肉原料を開発中であり、2025年後半に稼働開始を予定しているオマーンの新工場で生産を行う計画です。
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