ヴィーガンチーズを開発するイタリアのDreamfarmが、8億円超を調達

ヴィーガンチーズを開発するイタリアのDreamfarmが、特許製法による植物性チーズの生産拠点構築を目的に、500万ユーロ(約8億1,200万円)の調達を行ったと発表しました。

チーズの産地パルマに生産拠点を建設


Maddalena ZanoniMattia Sandeiが、チーズの一大生産地パルマで2021年に創業したDreamfarmは、欧州産の発酵アーモンドをベースにモッツァレラチーズとチーズスプレッドを製造。

2年間の研究開発期間を経て、今年5月に本国の小売り・外食市場に進出しましたが、さらなる開発を進めるべく資金調達を実施。パルマに生産拠点を建設し、製造工程を最適化するための設備を導入する予定です。

同ラウンドでは、Italiana Ingredientiなどを創業したGiampaolo Cagninと、「Pomodoro」ブランドを展開するMutti GroupのオーナーFrancesco Muttiが出資を行いました。

味と栄養面で強みのあるアーモンド


Dreamfarmによると、アーモンドは環境フットプリントが牛乳の数分の1程度も低く、中でも地中海沿岸で採れるものは持続可能性が高いとのこと。

米国のカリフォルニアなどで採れるアーモンドと異なり、イタリアやスペインの地中海沿岸地域で栽培されるアーモンドは大部分雨水を使用しており、ウォーターフットプリント*1 が低くなっているといいます。

また、栄養面で優れていることも強みで、EU域内で流通する栄養表示「Nutri-Score(ニュートリスコア)」で最高ランクとなる「A」を獲得しています。

従来の減塩モッツァレラチーズには100gあたり11gの飽和脂肪酸が含まれているのに対し、Dreamfarmのアーモンドチーズに含まれるのは0.9g

タンパク質の含有量は4分の1程度とかなり少ないものの、植物性食品を購入するイタリア人消費者の半数近く(49%)が健康を第一の理由として挙げていることから、消費者ニーズに十分応えられるとみています。

今年から同社CEOを務めるGiovanni Menozziは、「チーズに特有の溶けや伸びをもたらすカゼイン(乳タンパク質の一種)を含んでいないため、従来品のような特性は再現できていないものの、ピザに乗せたときの味は格別だ」と語っています。

EU域内での幅広い展開を計画


イタリアではGondino(ひよこ豆)、MozzaRisella(米)、Fermaggio(カシューナッツ)といった代替チーズブランドがすでに多数存在。Dreamfarmは今後、ベルギーをはじめとしたEU域内での幅広い展開を計画しています。

最初の進出先としてベルギーを選んだ理由については、「植物性食品の浸透度が高い」ためと説明。GFI Europeの試算では、市場シェアはいまだ小さいものの、2020〜22年にかけてベルギーにおけるヴィーガンチーズの売り上げは28%増加したといいます。

また、先月ドイツ・ケルンで開催された食品見本市「Anuga」にも出展したところ反応が良かったことから、同国でも発売を検討することを決定。同じくGFI Europeによると、ドイツは欧州最大のヴィーガンチーズ市場(売上高は次点の2倍)となっています。

GlobalDataによると、世界のヴィーガンチーズ市場は今年末までに14億ドル(約2,120億円)規模になると予想され、2020〜2030年にかけて16.7%の年平均成長率(CAGR)で成長する見込み。

VeganCheese.coのオンラインデータベースによると、ヴィーガンモッツァレラチーズ製品は、現在世界で167種類以上が確認されています。

*1 生産・加工・流通などのライフサイクルを通じて必要な水の総量。

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