Meatableの培養肉ソーセージ、シンガポールの試食会「Milestone」で初披露

オランダに拠点を置くフードテックのパイオニア企業Meatableが、シンガポールで自社製培養肉の試食会を初開催。Singapore Food Agency(シンガポール食品庁、以下SFA)からの認可取得に向けて、重要なマイルストーンを達成したと発表しました。

Meatableはこれまで、試食会の開催、そして培養肉製品の販売に関する認可要件を満たすべく、数カ月間にわたってSFAと協力を進めてきました。

2024年にはシンガポール市場に参入し、その後米国市場への進出を目標に、培養肉の大規模生産を目指しているとのこと。

戦略的パートナーシップを構築


試食会には、厳選された小売パートナーやSingapore Economic Development Board(シンガポール経済開発庁)が参加し、同社の培養肉ソーセージを試食。従来の肉が持つ独特の風味や噛み心地、食感を再現できているとMeatableは言います。試食会に参加した新たなパートナーは、来年以降、より進化した同社の製品をレストランやスーパーマーケットで販売するにあたり、支援を行う予定です。

すでにSection 32、DSM Venturing、BlueYard Capital、Agronomics、Dr. Rick Klausnerなど、ライフサイエンス・食品業界の主要投資家から、6,000万ドルに上る資金を調達しているMeatable。

画期的な自社技術を有しており、昨年夏には、単一細胞から初めて培養ポークの生産に成功したと発表しました。

培養肉は主要な選択肢に


高級食材の世界的流通大手、Classic Fine Foods Singaporeのマネージングディレクター、Karen Tayは「今日試食したソーセージは絶品だった。培養肉は今後の主要な選択肢になるだろう」と語りました。シンガポール随一の精肉店、Huber’s Butcheryでエグゼクティブディレクターを務めるAndre Huberも、「肉らしい食感があり、植物性プロテインには欠けている肉の風味がはっきりと感じられた」とインタビューに応じています。

2020年に培養肉を認可する世界初の国となり、培養肉規制の先陣を切ったシンガポール。同国が推し進める「30 by 30」戦略は、2030年までに栄養需要の30%を、持続可能な方法により国内生産することを目標としています。

Meatableのこれまでの動きとしては、シンガポールの革新的なフードエコシステムへの投資や、培養肉の受託生産を行うEsco Asterとの提携を実施。また、プラントベース専門の精肉店Love Handleと協働して、細胞農業の自社技術と植物由来の原料を組み合わせた、ハイブリッド肉製品を製造しています。

今後数カ月では、シンガポールや世界各地で試食会を開催予定。将来的なパートナー・消費者を啓発し、培養肉生産を拡大するための知見を集めるとのことです。

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