ブラジルの食肉大手JBSが、培養肉研究センターの建設に着手

ブラジルの食肉大手JBSが、約6,200万ドル(約92億5,000万円)を投じて培養肉生産に特化した研究を行う「JBS Biotech Innovation Center」の建設を開始したと発表しました。

スペインとブラジルで大規模施設を着工


このセンターは、同分野の研究施設としてはブラジル最大となり、培養肉生産における効率性とスケーラビリティの向上、生産コストの低減が当面の目標。施設のオープンは2024年末を予定しています。

第1フェーズとして研究所の設置、第2フェーズとしてパイロットプラントの建設を予定。第3フェーズでは、細胞培養でタンパク質を作ることの技術的・経済的実行可能性を調べるため、大規模生産のモデルを構築する計画です。

同社の科学者チームは、センター開設に先立ち、仮設の施設内ですでに研究を開始。現在は、ウシの細胞培養についての理解を深めるための探索的研究を行っている段階ですが、将来的には牛タンパク質の生産を確立することを目指しています。

JBSは、成長を続ける培養肉分野へのコミットメントを増やし、存在感を高めることを狙いとしています。2021年にスペインのBioTech Foodsを買収し、スペインとブラジルの2つの生産プロジェクトに合計1億ドル(約149億円)を投資。

スペインではすでに世界最大の培養肉工場の建設に着手しており、完成すれば年間1,000トン以上の生産が可能になる見込み。こちらは2024年半ばまでに竣工予定です。

食肉ではなく「タンパク質」を供給


JBSで役員を務めるJerson Nascimento Jr.は、「タンパク質生産の世界的リーダーとして、食品業界の最前線に立つことは当社の責任だ」と語りました。

同社のように、食肉を長らく取り扱ってきた企業にとって、培養肉企業はシェアを奪い合う競合ともいえる存在。にもかかわらず、自身の役割をあくまで「タンパク質の供給」と捉えて、動物由来の肉にこだわらず培養肉生産にも積極的に関わる姿勢を示しています。

JBSと同業のタイソン・フーズカーギルなども、培養肉の成長を見据え、将来的な製品ポートフォリオの拡大を見込んで培養肉関連のスタートアップ企業に投資しています。資金力のある大企業が参画することにより、培養肉分野のさらなるイノベーションの進展が期待されます。

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