米Meati Foodsが、菌糸体ベース代替肉の健康効果解明にAIを活用
菌糸体を用いてホールカット代替肉を生産する米Meati Foodsが、菌糸体がもたらす健康上・栄養上の利点をより深く探求するため、人工知能(AI)を手掛けるPIPAと提携したことを発表しました。
家族全員の健康を改善
Meati Foodsによると、完全タンパク質(PDCAAS*1 = 1.0)を含んだ同社の製品は、心臓の健康、消化、免疫システム、血糖値にプラスの影響をもたらすことが期待されるといいます。
同社の共同創業者でありCSOのJustin Whiteleyは、「当社の製品を食卓に取り入れることでいかに家族全員の健康を改善できるかという理解を促進するのに、AIは最適なツールだ」と語りました。
代替プロテイン分野では、多くの主要企業がAIの活用を進めています。チリのフードテック企業NotCoは、Kraft Heinzとの共同ブランドなど、ヴィーガン食品の原材料候補の抽出に機械学習を活用。代替チーズ製造の米Climax Foodsも、Bel Groupとの提携などによる高級チーズの開発にAIを導入しています。
米国全土への展開に向けた大きな一歩
Meati Foodsは今年初め、菌糸体に関する研究を強化するべく、カリフォルニア大学デービス校のタンパク質、健康、栄養学の専門家で構成される、Meati Science Advisory Board(MSAB)を設立。
元MLBのスター選手、デレク・ジーターもMeati Foodsに投資しており、これまでの累計調達額は2億5,000万ドル(約343億円)を超えました。
主力製品である「Eat Meati」シリーズは、すでに小売りのほか、PLNT Burger、Birdcall、Causwellsといった外食チェーンで販売されています。また、つい先日には、食品流通大手Dot Foodsとの提携を発表。
Dot Foodsは、米国の50州の小売店・外食企業に納入する5,200の流通業者ネットワークに向けて、Eat Meatiシリーズを展開する予定。Meati Foodsは、今年中に全国規模でのオムニチャネル展開を目標としており、この提携は大きな一歩となります。
*1 PDCAAS(タンパク質消化性補正アミノ酸スコア):WHO(世界保健機関)の定めるタンパク質の評価基準。0.0〜1.0のスコアで表し、1.0が最も高い。
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