Lever VCが培養肉業界のベンチマークをまとめたホワイトペーパーを発表、投資家の理解と信頼の醸成を目的に

代替プロテイン企業への投資で知られるベンチャーキャピタルのLever VCが、ホワイトペーパー『Cultivated Meat Scientific Benchmarks』を発表しました。急速に拡大する培養肉業界の透明性と厳密性を高め、投資家の理解と信頼を得ることが目的です。

専門性の高い技術情報を読み解く手助けに


Mission BarnsAvantCellXBLUU SeafoodMooji Meatsといった培養肉メーカーへの投資を行なっている、Lever VC。同社の科学技術チームにより作成された本ホワイトペーパーは、培養肉業界の企業が資金調達の各段階で達成することが期待される、主要な技術的マイルストーンについてまとめたものです。科学的・技術的な専門知識を持たない投資家が、急成長するスタートアップ企業の主張を検証できるようにする狙いがあります。

Lever VCのリードサイエンティフィックアドバイザー、Jonathan Avesarは、「ホワイトペーパーで設定したベンチマークを用いれば、培養肉セクターの企業をより定量的に評価し、進捗が芳しくない部分や、特定の指標が過度に楽観的である可能性があり、追加検証が必要な部分を特定することができる」と述べています。

「特定の企業の技術が他の企業と比較してどのような位置にあるのか、といった検証が行え、リスクとリターンを評価する際の手助けになるでしょう」

Lever VCでサイエンティフィック・アソシエイトを務めるJasmin Kernは、超初期段階の企業では特にそうだと言います。「細胞の質量が極めて少なく、分析ツールへのアクセスが限られている場合、投資が実行可能かどうかを検証するためには、厳格な科学的デューデリジェンスが欠かせません。スタートアップ企業が行った仮定を精査し、その根拠となった情報源を確認することが特に重要です」

第二の「セラノス事件」を防ぐ


ベンチャーキャピタルから支援を受ける有名なスタートアップ企業の技術力が誇張されていることが公になったスキャンダルを受けて、投資家の信頼を維持することが喫緊の課題となっている昨今。Lever VCは、失脚したエリザベス・ホームズの会社、セラノスを教訓として挙げています。

これまでのところ、培養肉業界で投資家を欺こうとするような動きが確認された事例はありませんが、そのような事態が危惧されるのは培養肉業界でも同様。これを回避するためには、投資家による徹底的なデューデリジェンスの実施が不可欠です。

しかしながら、培養肉や培養乳製品のスタートアップ企業を巡る複雑な状況になじみのない場合、これは極めて困難な作業でしょう。実際、同分野の科学的・技術的な専門知識を持ち合わせていないにもかかわらず、大規模な投資を行っている事例も多く見られると言います。

The Good Food Instituteが今年発表した報告書によると、培養肉セクターは昨年、679人の投資家から、前年比19%増となる総額9億ドル近い資金提供を受けました。今後一層の投資増が期待される中、投資家にとって一つのベンチマークができた意義は大きいでしょう。

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