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穀物から世界初のサステナブルレザーを作る米Uncaged Innovations、シードラウンドで約9億円を調達

米国・ニューヨークを拠点に持続可能な代替レザーを開発するUncaged Innovationsが、応募超過となったシードラウンドで560万ドル(約9億円)の調達を行ったと発表しました。

昨年に続く資金調達を完了


同ラウンドはGreen Circle Foodtech VenturesFall Line Capitalが共同で主導し、Ponderosa Ventures、Golden Seeds、そしてジャガー・ランドローバー(JLR)の投資部門である既存投資家のInMotion Venturesが参加。

Uncaged Innovationsは新たに調達した資金を、製品の市場投入、増産、チームの拡大に充てるとしています。

同社は、昨年行われたプレシードラウンドで200万ドル(約3億2,200万円)調達。JLRの取締役兼持続可能性責任者を務めるRossella Cardoneは当時、「これは、当社が使用する材料の持続可能性と産地に関する戦略に沿ったものだ。新たな素材の可能性、新たなプロセスや技術を受け入れ、イノベーションに投資を行うことに責任を感じている」と語っていました。

ハイブランドとの協業を進める


Uncaged Innovationsは、穀物由来の構造タンパク質とその他のバイオベースの素材を融合させて、動物性コラーゲンの持つ繊維状のネットワークを形成。

独自の技術プラットフォーム「BioFuze」とロール・ツー・ロール(Roll-to-Roll)方式* を組み合わせ、動物性素材に匹敵する質感と性能を実現しました。数ある代替レザー企業の中でも、「穀物から持続可能なレザーの大規模生産に成功したのは初」だとしています。

すでに本格的な生産に向けて最適化できているといい、従来のレザーに欠かせないコラーゲンの代替素材として、ファッション、自動車、家庭用品業界に供給を行っています。

同社は現在、JLR向けのプロトタイプを開発中。その他複数のハイブランドとも交渉を進めており、2、3カ月以内に最初のコラボレーションを明らかにする予定だとしています。

* ロール状の材料を巻き出して加工し、再びロール状に巻き取る手法。

バイオレザーの持つ環境メリット


第三者機関によるライフサイクルアセスメントでは、Uncaged Innovationsのバイオベースの代替素材が、環境への影響を大幅に削減することを明らかにしています。

カーボンフットプリントのはるかに高い動物性皮革はさることながら、それに代わる合成皮革にもプラスチックに大きく依存するというデメリットが。

プラスチック生産は世界の排出量の3.4%を占めており、2060年までにその割合は2倍になるといわれています。また、水性生物に悪影響を与えるマイクロプラスチックの発生も問題です。

Uncaged Innovationsの革新的な素材は、従来の動物性皮革と比べて、温室効果ガスの排出量を95%、水使用量を93%、そして必要なエネルギーを72%削減。プラスチックを使用せず、トウモロコシをベースとしたコーティングにより100%生分解性という利点も得られます。

参考記事:
UNCAGED Innovations Raises $5.6M for “World’s First” Sustainable Leather from Grains
Uncaged Innovations Raises $5.6 Million for Its Bio-based Vegan Leather
Uncaged Innovations Bags $5.6M for Plastic-Free Leather Made From Grain-Based Protein

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