韓国のZikooin Company、アップサイクルした植物性ツナで代替シーフード市場に参入
韓国の植物性代替肉メーカーZikooin Companyが、製品ポートフォリオを拡大する3種類のヴィーガン・ツナ製品を発表しました。
大豆をアップサイクルした植物性ツナ
新製品となる植物性ツナの原材料は、廃棄予定だった穀物などをアップサイクルしたもの。従来のツナと同様、オメガ3脂肪酸の一種であるDHAを含んでおり、栄養面でも優れた代替品となっています。
原材料には大豆タンパク質、小麦繊維、オーツ麦繊維をブレンドし、ひまわり油、発酵酢、カカオパウダー、DHAを加えています。ソースにはココナッツオイル、ポテトパウダー、大豆エキスなどを使用。
Zikooin Company創業者のKeum Chae Minによると、非遺伝子組み換え原料のみを使用しており、タンパク質最大31gと植物から抽出したDHA120mgを含む一方、トランス脂肪酸やコレステロールは全く含まれていないとのこと。
植物性ツナは今月から韓国国内で発売。今後、欧州でも発売する予定です。また、米Eat Justとのコラボレーションを発表しており、植物性代替卵JUST Eggと、Zikooin Companyの米国法人UNLIMEATの植物性ツナを使用したキンパを9月に発売予定です。
代替肉ではすでに世界展開
2019年設立のUNLIMEATでは、独自の押出成形技術により、植物性ビーフのスライスなどを製造。すでに香港、オーストラリア、台湾、アラブ首長国連邦(UAE)に進出しており、昨年米国でもオンライン販売を開始しました。
今年初めにシカゴで開催された「2023 Food and Beverage (FABI) Awards」でも42製品のうちの一つに選出されています。
Chae Minは、「韓国風焼肉は米国で人気が出てきているため、韓国の伝統的なレシピで米国の消費者からの注目を集めたい」と語っています。
代替シーフード業界を取り巻く現状
The Good Food Instituteによると、2022年の植物性シーフードの売上は、重量ベースで前年比40%増加*1。また、2021年時点で、代替シーフード分野(植物ベース・培養ベース・発酵ベース)には120社を超える企業が参入しています*2。
2021年にNetflixで話題になったドキュメンタリー映画『Seaspiracy:偽りのサステイナブル漁業』にも描かれたとおり、乱獲や奴隷労働、マイクロプラスチックによる海洋汚染など数多くの問題を抱える水産業。
こうした問題意識から、代替シーフードへの投資と新製品開発が勢いを増しています。今年に入ってKonscious Foods、BLUU Seafood、Hooked Foodsなどが資金調達に成功。MycorenaとRevo Foodsは、3Dプリントしたマイコプロテインで代替シーフード製品の開発を目指し、150万ユーロ(約2億2,800万円)を調達しています。
*1 https://gfi.org/wp-content/uploads/2023/01/2022-Plant-Based-State-of-the-Industry-Report.pdf
*2 https://gfi.org/wp-content/uploads/2022/04/Executive-summary_2021-Industry-update_Alternative-seafood.pdf
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