スウェーデンのOatly、英国でパッケージの「ミルク」の文字を巡る酪農業界団体との裁判に勝利

英国高等法院が、スウェーデンの代替乳製品大手Oatlyの製品パッケージに「ミルク」という言葉が使われていることを不服とした、英国の乳業団体Dairy UKの提起を退ける判決を下しました。

これにより、Oatly製品のパッケージに見られた「Post Milk Generation」の表記が正式に認められ、Dairy UKの申し立てにより一時取り消されていた商標も復活しています。

4年間続いた争いに終止符


製品表示は、世界中の植物性食品メーカーが直面する最大の問題の一つ。消費者の混乱を懸念事項として挙げる畜産団体からの要請により、特定の表示を禁止する法案が各国で制定されてきました。

英国では、ブレグジット前の欧州連合(EU)の規則に従い、代替乳製品のパッケージに「ミルク」「チーズ」「ヨーグルト」などの用語を使用することは禁止されています。

ArlaLakeland Foodsが加盟する英国酪農業界の業界団体Dairy UKも、乳製品とは「乳腺からの分泌物」であり、代替品に「ミルク」と表示するのは一般消費者の誤解を招くとして、2019年にOatlyに対する訴訟を提起。

「ミルク」という言葉は、ほかの食品のパッケージではいかなる文脈でも禁止されるべきだと主張し、以来4年間にわたって訴訟が続いていました。

製品名には「oat drink」を使用


英国高等法院では、Dairy UKの主張は拡大解釈であり、Oatlyの表記は消費者を欺くものではないと判断。

同社の用いた「ミルク」という言葉は、製品のマーケティングを目的としたスローガンの一部であり、製品自体の名称として使用されたわけではないことが根拠となりました。製品名としては、「oat drink」という表現が使われています。

Oatlyはまた、オーツミルク、クリームチーズ、ヨーグルトなどの製品や、ブランドTシャツなど、さまざまな商品に対して「Post Milk Generation」のスローガンを使用する商標登録を申請していました。しかし、今年初めに英国知的財産庁(UKIPO)から商標を授与されたのは、Tシャツのみ。

UKIPOの担当官は、消費者がスローガンに含まれる「ミルク」という単語によって混乱する可能性は低いと判断したものの、それでも飲食物への使用は認められませんでした。

消費者が混乱との主張には疑問の声も


英国代替プロテイン協会(Alternative Proteins Association)会長のJeremy Collerは、「オーツ麦やアーモンドが牛から採れたものではないことはいうまでもなく、人々は何年も前からそのような製品を購入している」と説明。

消費者の誤解を招いているという主張には、何度も異議が唱えられています。英Chartered Trading Standards Instituteが2,000人以上を対象に今年行った調査では、ヴィーガンの表示が動物由来ではない製品を表すものと認識している消費者が多数(76%)であることが明らかになりました。

これまで、「Tofurky」ブランドを保有する米国のパイオニア企業Turtle Island Foodsや、Miyoko’s Creamery、スイスの代替肉メーカーPlantedなどが、製品表示に関する法廷での争いに勝利。

チリのフードテック企業NotCoは、「NotMilk」の商標を巡り国内で同様の訴訟に直面していますが、590人を対象とした調査では、79%の人がNotMilkを植物由来の製品と正しく認識し、乳製品と混同している人はわずか0.1%でした。

参考記事:
UK court rules in favour of ‘Milk’ label use on Oatly packaging
Oatly wins four-year High Court battle against UK dairy industry association to keep the word ‘milk’ on its packaging

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。