Dutch Structuring Technologies、植物由来のホールカット代替肉を製造する連続高せん断技術を開発

Dutch Structuring Technologies(以下、DST)が、植物由来のホールカット肉や魚を製造するのに最適という「連続高せん断(Continuous High Shear:CHS)」技術の新たな詳細を明かしました。

効率性と柔軟性に優れた新技術


DSTが2017年から開発を進めてきたこの技術は、植物性タンパク質に油と水を結合させるもの。

代替肉の成形で一般的な押出成形に比べて処理温度が90~120℃と低いため、加工中に色や風味を付けることができ、添加物の必要性を最小限に抑えるとともに、後工程の数を減らすことが可能になります。

CHS技術では最大15cmの長さの繊維を作ることができ、これにより食肉に近い満足のいく食感を再現したホールカットを形成します。

せん断速度や原料供給速度などのパラメータを個別に調節でき、同じ一台の機械でさまざまなテクスチャーを生み出すことが可能。さらに、結着剤を必要としないため、クリーンラベル製品の実現にも寄与します。

また、タンパク質単離物、濃縮物、種類の異なるタンパク質原料(油分を多く含むものでも可)にもシームレスに対応できる柔軟性が魅力です。

これらの優れた特性から、CHS技術は「既存の押出成形を置き換える後継技術」と評されています。

競争力のある価格も実現可能


DSTは昨年、オランダ南部における技術革新と低炭素経済への移行を促進することを目的とした政府主導のプログラム「OPZuid」の一環として、およそ40万ユーロ(約6,800万円)の補助金を受け取りました。

同社はこの資金を、CHS技術による生産能力を300kg/時から1,000kg/時へとスケールアップさせるために使用する計画です。

CHS技術で作られた製品は十分に競争力のある価格で提供でき、植物ベースのフードシステムへの移行を推し進められると同社は主張。

すでにこの新技術を用いてさまざまな構造物の製造を成功させており、直近では、CHS技術で構造化し伝統的なスパイスで味付けした、植物ベースのケバブを発表しました。

植物由来の肉や魚の自社ブランド品開発を行っていることに加えて、B2Bで原料供給を行い、メーカーごとにカスタマイズした製品の開発も見据えています。

参考記事:
The CHS technology
Dutch Structuring Technologies | LinkedIn
Dutch Structuring Technologies Develops “Game-Changing” Continuous High Shear Technology for Plant-Based Whole Cuts

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