スペインのLibre Foodsが菌糸体ベースのホールカット鶏胸肉を発表、2024年初頭の発売を予定

今年2月にマッシュルームを用いた植物性ベーコンをスペイン市場に導入したLibre Foodsが、EU初の菌糸体を使用したホールカット鶏胸肉「Libre Chicken」を発売する予定を明らかにしました。

認可要らずで製品化までの期間を短縮


今回使用する菌株は、EUの食品規制では新規食品(Novel Food)とはみなされず販売認可が不要なため、来年初頭までには商品化できる見込み。

Libre FoodsのCEOを務めるAlan Iván Ramosは、「開発の初期段階から規制当局と密な連携をとり、菌株の選択と生産プロセスがEUの規制に沿ったものであることを確認してきた」と語っています。

バイオマス発酵による同社の「Libre Chicken」は、従来の鶏肉よりカロリーが25%低く、動物性・植物性いずれの鶏肉と比べても食物繊維が25%以上豊富に含まれています。タンパク質含有量は現在のところ100gあたり12.5gですが、発売時には従来の鶏肉により近づけられるよう目指しているとのこと。

スペイン国内で製造し、オーガニック鶏肉や植物性の鶏胸肉に比べて競争力のある価格に設定。将来的には従来の鶏肉と同等の価格を目標にしています。

クリーンラベルで高い顧客支持を得る


主原料となる菌糸体は繊維が絡み合っているため、歯応えのある肉の食感を効率的に再現しやすく、使用する原材料の種類を大幅に減らすことが可能です。

菌糸体ミートの持つこの特質は、近年の消費者ニーズにも合致する強みに。米国の原料メーカーIngredionが昨年実施した調査では、回答者の半数以上が、製品の成分リストの短さを重要視していることが明らかになりました。

すでにスペイン国内の30を超える店舗で販売されている植物性ベーコン「Libre Bacon」は、菌類ベースでも菌糸体は含まない製品となっているようですが、リピート率がほぼ100%

同ブランドを購入する消費者に聞き取りを行ったところ、90%以上が鶏胸肉の購入にも興味を示したといい、顧客から高い支持を得ている様子がうかがい知れます。

同社は昨年4月、Green Generation Fundがリードインベスターとなり、Good Seed Ventures、ProVeg International、Veg Capitalなどが参加した投資ラウンドで、250万ドル(約3億6,900万円)を調達。

間もなく新たな資金調達ラウンドを開始し、研究開発能力の強化や戦略的パートナーシップの構築により商用化に向けて歩を進め、低コスト化の実現に取り組む計画です。

参考記事:https://www.greenqueen.com.hk/exclusive-mycelium-startup-unveils-eu-first-whole-muscle-cut-chicken-breast/

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