バイオテクノロジー大手のNovonesis、精密発酵ラクトフェリンの生産と商業化でTurtleTreeと提携

デンマークのバイオテクノロジー大手Novonesisが、シンガポールのスタートアップ企業TurtleTreeに出資を行い、同社の精密発酵ラクトフェリンの生産拡大と商業化に向けた独占契約を締結しました。
乳幼児の栄養とサプリメント市場をターゲットに
糖尿病治療薬「オゼンピック」の製造元Novo Nordisk(ノボ ノルディスク)と兄弟会社の関係にあるNovonesisは、組み換えウシラクトフェリンの生産拡大および商業化に関する独占契約を締結しました。
この取り組みを通じて乳幼児栄養の市場をターゲットに据えるとともに、サプリメント分野における特定の商業化権を確保する狙いです。
同社はさらに、TurtleTreeへの小口出資も実施。今回の資金調達には、三井化学のベンチャーキャピタル部門として立ち上げられた321Catalyst Venturesも参加していますが、具体的な調達額は明かされていません。
TurtleTreeは、米国食品医薬品局(FDA)による正式な安全性認可を得てから1年を経て、高純度かつコスト効率に優れたアニマルフリーのラクトフェリンを広く市場に普及させる上で大きな一歩を踏み出しました。
Novonesisの上級副社長を務めるThomas Batchelorは、「当社の狙いは、ラクトフェリンをより入手しやすく、かつコスト競争力のあるものにすること、そして乳幼児栄養やサプリメントの分野において精密発酵技術で何が実現可能かを示すことだ」とコメント。
米国にある最先端の施設で生産に最適な体制を整えており、「生産拡大が成功すれば、顧客企業は実証済みの健康上のメリットを、より効率的に消費者に届けられるようになる」と話しています。
苦境を乗り越え、技術の大規模な実証を目指す
TurtleTreeが開発を進める精密発酵技術は、特定のDNA配列を組み込んだ微生物を用いて、発酵の過程で目的の分子を大量に産生させるもの。これにより、ウシの初乳に含まれるのと同一のラクトフェリンを生産し、従来の供給上の制約を解消して安定供給が可能な体制づくりを目指しています。
同社の製品「LF+」は、スポーツ栄養、女性の健康、成人・高齢者向け栄養食品、機能性食品など幅広い用途に適しており、昨年「Intentional」ブランドの下で製品化が実現しました。
最初の製品となるサプリメント「IronKind」は、ラクトフェリンにプレバイオティクスを組み合わせた製品で、鉄分の調整やエネルギーレベルの向上、腸内環境の改善をサポートします。
昨今の代替プロテイン企業が直面している状況を反映して、TurtleTreeは2025年1月までの半年間に複数回の人員削減を断行しました。一時は従業員数わずか9名という最小限の体制となっていましたが、今ではこの苦境を乗り越えた様子。Novonesisとの提携は、同社の技術が持つ可能性を強く示す出来事といえます。
共同創業者でCEOのFengru Linは、「今回の提携は、ラクトフェリンが持つユニークな利点を大規模に活用できるようにするための、困難な課題に取り組むものだ。単に技術的な実現にとどまらず、誰もが利用できる経済的な価格での提供を目指したい」と語りました。
参考記事:
TurtleTree, Novonesis strike partnership to scale up precision-fermented lactoferrin
Novonesis Invests in TurtleTree to Scale Up Cow-Free Lactoferrin for Early Nutrition
Novonesis joins forces with TurtleTree to bring precision-fermented lactoferrin to global markets | PPTI News


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