EU域外市場への進出を目指すMosa Meat、オランダの政府系ファンドから約1.6億円の融資を獲得

オランダの培養肉企業Mosa Meatが、グローバル展開を加速させるため、政府の投資機関Invest Internationalから87万5,000ユーロ(約1億6,200万円)の貸し付けを受けました。
継続的なコスト削減に取り組む
一般的なベンチャー投資とは異なり、Invest Internationalの提供する資金は、技術開発の段階からグローバルな商用化へと移行する際の困難な局面を企業が乗り越えられるよう支援することを主な目的としたもの。
商用化に向けた最終段階にあるMosa Meatは、この資金を活用して、培養肉の早期展開が見込まれる複数の国における市場の検証、生産およびサプライチェーンに関するパートナーとの提携、そして規制当局への申請手続きを進める計画です。
同社の歴史は、2013年にマーストリヒト大学教授のMark Postが、ロンドンで世界初の培養牛肉ハンバーガーを発表した時から始まっています。生産に約25万ユーロ(約4,640万円)を要したそのハンバーガーは、家畜を飼育・屠殺することなく、動物の細胞から直接牛肉を得られると初めて実証し、世間の注目を集めました。
それ以来、同社は商業化に向けた準備を進めつつ、生産コストの削減に取り組んできました。2013年当時と比べてコストを99.999%削減するという成果を達成し、過去2年間だけで計5,870万ユーロ(約109億円)の資金を調達しています。
CEOのMaarten Boschは前回の調達に際して、レストランのメニューにも採用可能な価格帯を実現したと述べ、「当初のビジョンを損なうことなく、単なる科学プロジェクトの段階から美味しく手頃な価格の製品へと進化を遂げた」と説明しました。
市場化に向け、世界各地で規制対応が進行中
生産面での進展に加えて、Mosa Meatは過去18カ月間にわたり包括的な規制対応の実績を構築してきました。
2025年1月、同社は欧州連合(EU)における「新規食品(Novel Food)」規制の枠組みに基づき申請を行った最初の企業となりました。その際、最初の製品として培養牛脂肪を選定しています。翌月には、Bell Switzerlandの支援を受けてスイスでも同様の申請を行いました。
さらにその後、英国食品基準庁(FSA)の規制サンドボックス・プログラムを通じて、同国における最初の認可申請を行っています。
同社は、100%培養肉のステーキやハンバーガーとして製品化を目指すのではなく、一貫して原材料の一つとしての培養脂肪の展開を意図してきました。植物性タンパク質と組み合わせることで風味や食感を向上させたハイブリッド肉製品こそが、消費者になじみのある食体験を提供して早期の市場投入を実現させる道筋と考え、開発を進めています。
Invest InternationalのCIO(最高投資責任者)を務めるJeroen Plagは、Mosa Meatがすでに技術の実現可能性を実証しており、現在は商用化に向けた次の段階の課題に直面していると指摘。
オランダは、農業およびフードテック分野におけるイノベーターとして世界的に確固たる評価を築いてきたとし、「Mosa Meatは、その技術の有効性を実証済みで、今や培養肉の生産が可能であることは明らかだ。今後は、国際市場への参入、規制対応、消費者への展開、そして生産規模の拡大が求められる」と述べました。
また、「画期的な技術を持つオランダ企業のグローバルな事業拡大を支援することで、貴重な知見やイノベーション、経済活動を国内に確実に定着させたい。同時に、オランダ発のソリューションの国際的な地位を高め、オランダ経済のレジリエンスと収益力向上に直接貢献できるだろう」とも話しています。
参考記事:
Invest International | LinkedIn
Mosa Meat targets global expansion with fresh backing from Invest International | PPTI News
Mosa Meat Secures €875,000 From Dutch State Fund to Push Into Markets Outside the EU


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