テトラパックの新型バイオリアクター、最大12%の運用コスト削減で発酵生産の規模拡大を支援

スウェーデンで創業し、現在はスイスのローザンヌに本社を置く食品包装容器のメーカー、テトラパック(Tetra Pak)が、「Tetra Pak Bioreactor RF」を携えて産業用バイオリアクターの市場に参入しました。

安定した発酵を保ちつつ、視認性向上を実現


テトラパックの新製品発売は、昨年末にラトビアに本社を置く企業Bioreactors.net買収したことに続く動きであり、同社の産業用発酵および次世代食品の生産能力を大きく拡大させるものです。

新しいバイオリアクターは、発酵プロセスをパイロット生産から本格的な工業生産へとスケールアップさせたい企業を支援するべく開発されました。テトラパックによると、食品原料の製造において酵母、細菌、真菌といった微生物を利用する動きが広がる中、サプライチェーンの多様化や資源効率の向上も相まって、工業用発酵システムの需要が高まっています。

Tetra Pak Bioreactor RF」は、安定した発酵条件を維持しつつ、オペレーターにとってプロセスの視認性を高められるような設計が特徴。運用面の複雑さを増すことなく、パイロットスケールでの検証から初期の工業生産、そして商業規模の生産に至るまで、一貫した性能を発揮するシステムづくりを目指しています。

同社のRafael Barrosは、「工業用発酵において成功を収めるには、日々パフォーマンスを維持し続けることが不可欠だ。Tetra Pak Bioreactor RFは、運用リスクを低減して複雑さを解消するよう設計されており、オペレーターによる確実な生産プロセスの制御を支援する」とコメントしました。

磁気撹拌のスケールアップを可能に


本システムの大きな特徴の一つは、特許取得済みの磁気撹拌技術を採用している点です。これにより、従来のバイオリアクターにおいて汚染やプロセスの不安定化を招き得ると広く認識されていたメカニカルシールが不要になりました。

テトラパックによると、同社の撹拌システムは、あらゆる容量のリアクターにおいて動力伝達と酸素移動を適切に維持できるよう設計されているといい、これは容量が増大するにつれて性能維持が困難になりがちだった従来の磁気撹拌機の課題を克服するもの。

同社の試算では、バッチ失敗に起因する損失額は1立方メートルあたり約1,000ユーロ(約186,000円)に上りますが、安定したプロセス条件を維持することでバッチ失敗のリスク低減につながります。

また、「Tetra Pak Bioreactor RF」は組み立てと試験を完了した状態で出荷されるため、設置や試運転にかかる手間の軽減が可能に。統合型のプラットフォーム設計により、個別の支持構造体が不要となり、従来の産業用リアクターと比較して初期投資を最大8%削減できます。

そして自動化も、本システムの重要な機能の一つです。プロセスの変動に応じて発酵条件を安定させる自動制御機能が搭載され、手作業による介入を減らすほか、プロセス監視機能がもたらすオペレーターの運用業務の簡素化などを組み合わせると、運用コストを最大12%削減できるとされています。

本製品群は、10リットルから50,000リットルまでの容量で展開。いずれも共通のアーキテクチャを採用しており、オペレーターのトレーニングを簡素化し、メーカーが生産規模を拡大したり、同じ設備を用いて複数拠点で運用を行ったりすることが容易になります。

参考記事:
Tetra Pak expands into industrial fermentation with new bioreactor platform | PPTI News
Tetra Pak launches first industrial bioreactor for fermentation-derived ingredients

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