Raisioが約3.3億円を調達、穀物加工の副産物を食物繊維素材に変換するプロジェクトを進める

穀物加工の副産物から機能性食物繊維素材を製造するプロジェクトを推し進めるフィンランド企業のRaisioが、政府系の投資機関Business Finlandから180万ユーロ(約3億3,200万円)の投資を獲得しました。

新設したパイロット施設でスケールアップへ


本プロジェクトにはRaisioも270万ユーロを自己資金として投じており、総予算450万ユーロ(約8億3,100万円)の事業となります。

食品廃棄物の削減を求める声が高まっている欧州では、アップサイクルに関連する経済活動への投資が拡大中。

Benecol」や「Elovena」などのブランドを擁するRaisioは、2029年末まで実施される本プロジェクトで、穀物加工の副産物を食物繊維素材へと転換します。高い栄養価と機能性を兼ね備えた新素材の用途や市場性を検証して、穀物加工における資源効率の向上を図る考えです。

同社はこの春完成させた新しいパイロットプラントの建設にあたっても、Business Finlandを通じてEUの復興基金「NextGenerationEU」の資金提供を受けていました。今回のプロジェクトでは、その施設でプロセスをスケールアップする予定です。

この取り組みは、「Global Center for Sustainable Bioproducts」の活動の一環。同センターは、欧州・北米・アジアの大学や研究機関、産業界のパートナーが連携して、再生可能資源を活用したより持続可能な食料システムへの移行を加速させることを目指しています。

SNSを中心に高まる食物繊維の摂取ニーズ


Raisioは、食物繊維を豊富に含む機能性食品素材が、食品イノベーションの分野で最も急成長しているカテゴリーの一つであると指摘しています。

欧州の消費者の食物繊維摂取量は1日あたり16〜24gにとどまっており、専門家が推奨する25〜35gを大きく下回っています。フィンランドでも成人の70%が食物繊維不足の状態にある一方、欧州全体では消費者の38%が摂取量を増やしたいと考えているとのこと。

こうした動きの背景には、「ファイバーマキシング(fibermaxxing)」や「ファイバーレイヤリング(fiberlayering)」といったSNSに端を発するトレンド、腸内環境への関心の高まり、そしてGLP-1受容体作動薬の普及などがあります。

代謝やホルモンバランスを調整する食物繊維は、腸の健康の鍵を握っており、体内の自然なGLP-1反応を促して体重や血糖値の管理を助けるほか、満腹感を持続させる効果も期待できます。

食物繊維にはコレステロール値を低下させる働きもあり、さらに食物繊維を豊富に含む食事は肥満、2型糖尿病、脳卒中、心臓病、さらには特定のがんのリスク低減に関連していることが示されてきました。

Raisioは、ファイバーレイヤリングの動きにも見られるように、食物繊維に関するソリューションにおいては、単なる「量」だけでなく「質」も考慮する必要があると提言しています。

消費者の摂取量を増やすには、味や食感を損なわずに幅広い製品カテゴリーに適用できる食物繊維素材が必要であり、そのためには科学的な知見を実際の製品へと落とし込む作業が極めて重要。

同社のCIO(最高イノベーション責任者)を務めるReetta Andolinは、「穀物加工の副産物の高付加価値な素材への転換には、世界的に見て大きな可能性がある。これは、当社のサステナビリティ目標の達成と新規事業の構築という、両方の目標を後押しするものだ」とコメントしています。

参考記事:
Fibre is an essential part of future food solutions – Raisio
Finnish Govt Invests in €4.5M Project to Turn Grain Waste Into Fibre Ingredients
Raisio secures €4.5 million research investment to transform grain side streams into next-generation fiber ingredients | PPTI News

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