卵白プロテインを開発する米The EVERY Company、コロンビアのGrupo Nutresaと提携

精密発酵技術を用いて卵白プロテインを開発する米The EVERY Company(以下、EVERY)が、コロンビア最大の食品加工コングロマリット、Grupo Nutresaとの提携を発表。代替肉セクターのイノベーションに基づく成長を促進するため協力することで合意に至りました。

ESG経営を推し進める南米企業と提携


2014年に設立されたEVERY(旧称:Clara Foods)は、アニマルフリーの高機能卵白プロテインを世界で初めて商品化。消費者向け市場にも、その卵白プロテインを使用したマカロンやスムージー、アルコール飲料などを投入しています。

世界最大規模の発酵企業であるアンハイザー・ブッシュ・インベブや、女優のアン・ハサウェイを投資家に持ち、Crunchbaseによる「世界で最もホットなテック企業50社」にも選出されました。

一方のGrupo Nutresaは、コロンビアを代表する企業であり、ラテンアメリカの食品関係で最も重要なプレーヤーの一つ。保有するZenúPietranといったブランドには植物性食品も含まれ、幅広い製品ラインを展開しています。

DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)*1 に13年連続で選定されており、世界で最も持続可能な食品企業との評価も受けています。

結着剤として卵白プロテインを利用


両社は今回の提携により、EVERYの開発する卵白プロテイン「EVERY EggWhite」を使用した代替肉製品を開発し、そのパイロット生産・大規模生産のテストを共同で実施する計画。Grupo Nutresaの代替肉に従来「つなぎ」として使われていた卵白を置き換えることにまず焦点を当て、イノベーションを通じた成長の実現を目指します。

EVERYが提供する機能性に優れたタンパク質の活用により、鶏卵不使用の代替品開発を加速させると同時に、代替肉の味・食感・口当たりを向上させる効果が見込めるとのこと。

EVERYのタンパク質原料は、遺伝子組み換えした微生物のはたらきにより生産されたものであり、自然界に存在する動物性プロテインと全く同一。従来の動物由来製品に関連する感染症リスクや、昨今のような価格の変動、環境負荷を回避することができるという点で、食品メーカーにとって多大なメリットをもたらす選択肢となります。

*1 米国のS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が毎年公表する、知名度の高いESG指数。世界の主要企業の持続可能性を評価し、優れた企業(2022年度は332社)を選定している。

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