米Rebellyous Foodsが新たな連続生産システムを発表、安価な植物性代替肉の実現に期待
植物性代替肉の製造技術を開発する米Rebellyous Foodsが、RMS Foodsとの提携による新しい連続自動チルド生地加工システムを発表しました。
エネルギーと労働力を削減する連続生産システム
「Mock 2」と名付けられたこのシステムは、バッチ式生産を採用していた以前の「Mock S1」を、完全に自動化された連続生産システムに置き換えたもの。
温度制御とデジタルモニタリング機能を統合して、原料の水和、乳化、冷却、混合を正確に行い、一貫性と品質を保証すると説明されています。
従業員が製品を混ぜて別のシステムへと移す必要があった従来のバッチ処理とは異なり、連続生産とすることでエネルギーと労働力を大幅に削減でき、同時に原材料の無駄を最小限に抑えるシステムを作り出しました。
1本の加工ラインで、毎時2,500~5,000ポンド(約1,100〜2,200キロ)のさまざまな植物性代替肉製品の製造が可能です。
普及に向けての鍵となる低コスト生産
ヴィーガンチキンナゲットやチキンテンダーで知られるRebellyous Foodsは、すでにコスト競争力のある製品を提供しており、外食産業向けの植物性チキンテンダーの価格は1kgあたり61.5ドル(約8,800円)。
食肉大手のタイソン・フーズが展開する「Red Label」シリーズのチキンテンダーは同61ドル、Beyond Meatの植物性バージョンは同93.5ドルであり、これらと比較すると従来の食肉にも匹敵する価格であったといえます。
Mock 2の導入により同社はさらに製造コストを下げることができ、既存の製造方法と比較して60%のコスト削減を実現して、価格と品質の両面で従来の食肉に対抗できるようになるとのこと。
米国人の53%が価格面で代替肉の購入を躊躇しており、消費者の45%が安価であれば代替肉を購入する可能性が高いことを考えると、低コストの実現は普及に向けての鍵となります。
フードサービス分野の成功で売り上げは2倍に
この開発は、高品質の植物性代替肉製品の製造を専門とするRMS Foodsとの提携により実現したもので、Mock 2はニューメキシコ州にある同社の工場で披露されました。
Rebellyous Foodsは今後、この施設で自社製品を製造する予定。米国、カナダ、日本で独自技術の特許を取得しており、その他の地域でも申請中です。
同社は昨年2月、Mock 2の構築に向けてシリーズBラウンドで950万ドル(約13億6,000万円)を調達。米国農務省(USDA)や米国食品医薬品局(FDA)に登録している食品加工施設からの、Mock 2を用いた生産システムの設置・運用を行う提案の募集を開始しました。
同社の植物性チキンはすでにフードサービス分野で大きな成功を収めており、全米学校給食プログラムに参加している学校と提携して275以上の学区で提供されています。USDAの児童栄養基準を満たしたことで、全米で400万人以上の生徒に提供されるまでになり、業界全体の低成長とは反対に、売り上げは過去3年間でほぼ倍増しました。
一度進出した小売業界からは撤退しているものの、将来的にはスーパーマーケットに再進出する可能性もあるといいます。
参考記事:
Rebellyous Foods deploys Mock 2 system to lower plant-based meat costs with continuous production
Rebellyous Foods Partners With RMS Foods to Revolutionize Plant-Based Meat Manufacturing
How Rebellyous Foods’s New Mock 2 Platform Makes Cost-Competitive Plant-Based Meat
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