微細藻類を手掛けるオランダのPhycomが、成長加速を見据え約14億円を調達

微細藻類をベースにタンパク質原料を製造するオランダのPhycomが、Corbion、Phase2.earth、Invest-NL、Invest Internationalなどの主要パートナーから900万ユーロ(約14億1,000万円)超の資金調達を行ったと発表しました。

オランダ企業からの投資を集める


今回新たに加わった主要パートナーは、いずれもオランダの企業。Invest-NLのDaan Meijerは今回の投資について、「持続可能なフードシステムへの移行にあたって微細藻類が果たす役割、そしてPhycomのユニークな技術と大規模生産能力は、当社の投資ポートフォリオに加える価値が存分にある」と述べました。

Invest Internationalのエクイティ部門責任者を務めるEelco Beninkは、「Phycomへの投資は、フードシステムにおける重要な変化を促進し、SDGsに貢献するという当社の戦略に完璧に合致する。Invest-NLと共にこの投資に踏み出すことで、オランダ国内で直接雇用が創出され、Phycomの国際的な事業拡大に向けた基盤を築くことができるだろう」と語っています。

2008年に設立されたPhycomは、微細藻類製品と培養最適化サービスを食品・飼料業界にB2Bで提供する企業。微細藻類はタンパク質のほかにも、脂肪酸、抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、繊維質の供給源となる、食品や飼料として理想的な原料です。

独自のモジュラーシステムで大量培養


Phycomは、複数種の微細藻類を同時に高収率で培養できるモジュラーシステムを独自開発。クローズドな環境で環境への影響を最小限に抑えながら、年間を通して生産が行えることを強みとしています。

同社のチームは過去4年間にわたって、オランダ国内に2箇所の生産施設を建設し、微細藻類培養の技術とスケーラビリティを実証してきました。品質保証システムは、GMP+*1 およびFSSC22000*2 の認証を取得済み。

また、生産のみならず、オランダ政府の資金援助を受けて、微生物由来タンパク質の機能性、市場性、応用を検討するプロジェクトにもユニリーバなどと共同で取り組んでいます。

今回の投資により、さらなる組織力の強化とマーケティング活動の拡大、技術開発に資金を投入する計画。安定した最高品質の微細藻類を大量培養する体制を確立するとしています。

*1 1990年代にオランダの団体Productschap Diervoeder(PDV)によって開発された、動物飼料生産のための独立したGMP(Good Manufacturing Practice)認証
*2 「Food Safety System Certification 22000」の略で、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格

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