ホールカットの植物性代替肉を手掛けるオランダのRival Foodsが、約17億円の資金調達に成功

オランダのフードテック企業Rival Foodsが、最小限の原材料と高タンパク質を特徴とする植物性ホールカット代替肉製品の生産ラインを拡大するため、シリーズBラウンドで1,000万ユーロ(約16億9,000万円)の資金調達に成功したと発表しました。

生産能力倍増とグローバル展開を狙う


2022年に600万ユーロ(約10億1,000万円)を調達したシリーズAに続く今回のラウンドでは、オランダ最大の年金基金ABPの子会社で、基金の運用を担うAPGがリードインベスターを務めました。

そのほか、PymwymicとROM Utrecht Region(オランダ地域開発機関のユトレヒト支部)が参加し、既存株主のPeakBridgeも追加投資を行っています。

Rival Foodsは新たに得た資金を、オランダ南部の施設における生産能力の倍増と、それに伴う生産コストの最適化に活用する計画。

現在の生産能力は年間数百トンですが、既存設備の隣に史上最大級のシアーセルユニットを設置することで、来年初頭にもこれを倍増させられる見込みです。同時に、人員を拡充してグローバル展開を進め、外食・小売業界の大手企業との提携関係を模索しています。

独自技術で味・食感・価格を最適化


Rival Foodsは2019年に、ワーゲニンゲン大学からスピンオフする形で設立されました。B2B市場を優先したアプローチを採り、欧州のシェフや小売業者、食品メーカーと協力して次世代の植物性食品の開発に取り組んでいます。

植物由来の原料を繊維状の肉へと変える「シアーセル」技術を強みとしており、添加物に頼らず、最小限の加工で食感とタンパク質含有量を最大限に引き出したホールカットの代替肉製品を開発。

現在は7種類に満たないクリーンラベル原料を使用し、100gあたり25g以上のタンパク質を含むホールカットチキンとビーフ製品を、オランダとドイツのレストラン向けに提供しています。

共同創業者でCEOのBirgit Dekkersによると、食品会社(社名は現時点で非公開)との提携により初の小売製品も先日発売したほか、学校や大学、病院といった施設への給食事業にも参入を果たしたとのこと。「健康と栄養が最優先事項とされる施設で採用されたことは、当社の製品の品質の高さを示すものだ」と語っています。

オランダでは昨年、ハンバーグやフィレといったメインディッシュ用途への関心が低下し、小売市場における代替肉製品の販売量が7%減少。代わりに、1kgあたり6%安価になったひき肉などの代替肉製品が好調でした。

Rival Foodsは規模拡大に成功すれば、生産コストを抑え、従来の肉と価格競争力を持たせることも可能になる見込み。

PeakBridgeのCOOを務めるMartina Paceは、「代替プロテイン分野での真の成功には、美味しさ、食感、低価格という3つの困難な要素を実現する必要があるが、Rival Foodsはこれらすべてを現実のものにしている」とコメントしています。

参考記事:
Rival Foods: Plant-Based Meat Startup Lands $11.5M for Clean-Label Whole Cuts
Rival Foods raises $11.6m Series B to scale shear cell tech for plant-based whole cuts

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