中国CellXが菌糸体事業に参入、培養成分と組み合わせたハイブリッド肉製品の製造へ

上海を拠点に培養肉を開発するスタートアップ企業のCellXが、持続可能なタンパク質のポートフォリオを拡大するべく、菌糸体を用いた微生物発酵の分野に進出すると発表しました。

菌糸体タンパク質を培養タンパク質と組み合わせることで、より手頃な価格のハイブリッド肉を生産する計画で、中国の国内外で規制当局への申請を予定しています。

最適な菌株をスクリーニング


CellXは2,000に及ぶ菌株をスクリーニングした結果、発酵に適した数種類の株を発見。その菌株を用いた発酵プロセスにすでに着手しており、10立方メートルの規模でパイロット生産を行っています。

同社の菌糸体タンパク質原料は、40%以上のタンパク質と20%以上の食物繊維に加え、微量元素や抗酸化物質などの有効成分を豊富に含んだ菌株を使用。アミノ酸スコア*98と高く、従来の牛肉と同等レベルを実現しました。

今後は、川下の開発企業と提携し、同社の菌糸体タンパク質を使った新しい代替肉・乳製品や機能性食品の開発につなげる計画です。

製造コストを抑えたハイブリッド肉で市場投入を加速


今年8月に中国初の培養肉用大規模パイロットプラントを開設したCellXは、当初から従来の食肉と同等の価格を実現することの重要性を強調。

製造コストは、すでに培養肉1ポンドあたり100ドル(キロ単価約33,000円)以下を達成しています(価格競争力を持つには同2.92ドル=キロ単価約963円が目安とのこと)。

菌糸体を用いた新事業は、このコスト低減目標を後押しするもの。同社は、菌糸体タンパク質は費用対効果の面で優れているといい、培養タンパク質と組み合わせたハイブリッド肉製品を開発することで、しっかりと栄養プロファイルを確保しながら、製品価格を下げ競争力を強化できるとしています。

同社は以前にもハイブリッド肉を開発しており、2021年には植物性タンパク質を混合した培養豚ひき肉を発表。ハイブリッド肉製品は、製造コストが安価なことに加え、スケールアップが容易であることから、製品の市場投入を早めることが可能とみられます。

市場拡大を見据え、規制認可プロセスを進める


Straits Researchの調査によると、世界の菌糸体生産に占める中国の割合は75%。しかしながら、中国で菌糸体由来の代替肉を手掛ける企業はまだ少なく、上海の70/30 Food Techが昨年、同カテゴリーにおける初の中国企業となったところです。

微細藻類も含めた単細胞タンパク質の開発に取り組む中国企業には、Changing BioBlue CanopyProTi Food TechnologyGeb Impact Technologyなど。

また、他国では、米The Better Meat Co.とイスラエルのMush Foodsが、ハイブリッド肉製品用の菌糸体タンパク質を生産しています。

CellXは、培養タンパク質・菌糸体タンパク質の両方を2025年に発売する計画。菌糸体タンパク質については、国内外の規制当局に認可申請を行う準備を進めています。

* 食品に含まれるタンパク質を構成する必須アミノ酸のバランスを評価する指標で、100に近いほど良質なタンパク質食品とされる。

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