韓国のHN Novatechが、植物性代替肉の風味を向上させる海藻ベースのヘムを発表

韓国のフードテック企業HN Novatechが、植物性代替肉の原料として用いる海藻ベースのヘム「ACOM-S」を発売。先月シンガポールで開催された発表会で、東南アジアの著名な投資家グループが試食を行いました。

肉本来の味と食感を演出するヘム


HN Novatechによると、ACOM-Sのヘム成分は海藻から抽出されたもの。添加物や保存料を一切使わずに加工され、植物性代替肉製品に肉ならではの風味を与えることに寄与します。

ヘモグロビンやミオグロビンなどに含まれるヘムは、肉やシーフードにより本物に近い味と食感を与える物質として知られています。植物性代替肉大手の米Impossible FoodsMotif FoodWorksは、いずれも精密発酵によりヘムを生産。その特許を巡って、米国・EUの両方で法廷闘争を繰り広げてきました。

そのほか、イスラエルのYemojaは、微細藻類を用いて代替肉用の血液を開発。ベルギーのPaleoは、酵母菌を用いた精密発酵により生産した6種類のヘムを発表しています。

アジア太平洋地域での展開を加速


韓国発でありながら、熟練した労働力や政府の支援が得られるシンガポールにも拠点を構えるHN Novatechは、食品成分の持続可能な代替品開発を専門としており、これまでに19の特許を申請済み。

同社はACOM-Sの発売と同時に、シリーズAのブリッジラウンドで400万ドル(約5億9,300万円)の資金調達を行ったことを発表しました。同ラウンドでは、米国のLogan Venturesがリードインベスターとなっています。

2023年上半期、スタートアップ企業の資金調達額は48%減少。多くの企業が年間を通じて資金調達に苦戦している中で、つなぎのラウンドで調達を成功させました。

同社CEOのKim Yang-Heeは、同社の技術力の進化と、今後数カ月にわたる強力な顧客獲得の見通しを示すものだとしています。世界的な食品原料業界におけるリーダーとしての地位を確立することを目標に、韓国で食品加工施設の建設を開始するなど、まずはアジア太平洋地域への展開を進めています。

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。