ついに米国で培養肉販売が解禁、GOOD MeatとUPSIDE FoodsがUSDA認可を取得
米国農務省食品安全検査局(USDA-FSIS)が6月21日、GOOD Meat(Eat Justの培養肉部門)、UPSIDE Foodsの両社に検査証明書(GOI)を交付。これにより、認可プロセスの最終段階がクリアされ、米国における培養肉販売にゴーサインが出ました。
10年の節目に主要市場への進出を果たす
2013年にオランダのMark Postが世界初の培養ハンバーグを披露し、「World Technology Award」など多数の賞を受賞してから、丸10年が経過。培養肉が販売されるのは、シンガポール(2020年12月にGOOD Meatが培養肉を発売)に続き2カ国目となります。主要な市場での認可は今回が初となり、ほかの国や地域への波及も期待されます。
米国ではFDA、USDAが共同で培養肉規制を管轄するため、まずFDAの安全性審査を通過した後、USDAの表示認証を受け、生産施設に対する検査証明書(GOI)を取得するという、複数のプロセスを経なければなりません。
GOOD Meatは今月8日、UPSIDE Foodsは12日にそれぞれ表示認証を取得。続いて同月中にGOIの取得を完了させました。
GOIの対象施設は、カリフォルニア州エメリービルにあるUPSIDE Foodsの工場「EPIC」と、Eat Justが同州アラメダに有するパイロットプラント、Eat Justの受託製造を行うJOINN Biologicsのリッチモンド工場。
USDAが規制する食肉生産施設として、培養した食肉を「収穫」する(細胞培養を行うバイオリアクターから取り出す)たびに政府の検査官が立ち会うこととなります。
Eat JustのCEO、Josh Tetrickは、「米国は世界最大の経済大国であるだけでなく、世界的な文化の発信地でもある。この認可により、培養肉が産業として、技術として正当化された。業界にとって大きなマイルストーンとなる、素晴らしい瞬間だ」と語りました。
培養肉製品の「高水準なベンチマーク」を
カリフォルニア州に拠点を置く両社は、有名シェフが経営するレストランで培養チキンをデビューさせる予定。
GOOD MeatはJosé Andrésが経営するワシントンD.C.のレストランで、国内初となる培養肉のメニューを提供。7月末までにメニューに載せる予定だとしています。
UPSIDE Foodsが初めに提供するのは、培養鶏細胞を99%使用したホールカット肉製品。食感でも味でも、消費者が期待するものを再現できているといいます。第2弾として培養鶏ひき肉をすでに発表しており、今回の認可品目には含まれていないものの、より迅速かつ安価な製造が可能とのこと。
同社COOを務めるAmy Chenは、培養肉製品の「高水準なベンチマークを設定する」と意気込みを語りました。
Dominique Crennが経営するサンフランシスコの「Bar Crenn」で、培養チキンをいち早く試食できるイベントへの応募を開始しており、今年の夏には広く提供を開始する予定です。
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