AMSilkの精密発酵シルク、バレンシアガとの提携でハイブランドファッション市場に登場

スペイン発のファッションブランド、バレンシアガ(Balenciaga)が、2026年春コレクションの一部で、AMSilk精密発酵シルクタンパク質で作られた糸を使用したアイテムを発売しました。

市販製品への初の適用例に


バレンシアガが精密発酵シルクタンパク質を使用したのは、シャープカラーのホワイトシャツとブラックのシャツドレス。現在、一部の実店舗およびオンラインで購入可能です。

AMSilkの糸は、独自に設計した遺伝子組み換え微生物を発酵させて作られるバイオ素材。製造プロセスではクモの糸のDNAに基づいてタンパク質(スパイダーシルク)を複製し、それを重合させて糸状に紡ぐことで、従来の絹に似た見た目と質感を実現しています。

これまでにもアディダスのコンセプトシューズやメルセデス・ベンツのコンセプトEVなどに採用された例はありましたが、実際に市販されるファッションアイテムに使用されるのは初の出来事となりました。

CEOのUlrich Scherbelは、「当社の素材が世界的なハイブランドを通じて消費者の元に届くことは、当社にとって決定的な瞬間だ。この応用例は、バイオエンジニアリングで生まれた素材が今や実験段階を通り過ぎ、要求の厳しい業界の環境や実際の市場投入に耐え得る段階に達していることを示している」とコメントしています。

100%の生分解性を持つバイオマテリアル


精密発酵シルクを使用した衣服は、従来のシルクと同様の性能に加えて、伸縮性やシワになりにくいといった優れた特性を備えています。

AMSilkの素材は、マイクロプラスチックフリーの認証およびVegan Societyによるヴィーガン認証を取得。100%生分解性で、繊維製品の評価試験を手掛けるHohensteinによる皮膚安全性試験を実施済みです。

農業や化石燃料に依存しない独自の製造プロセスでは、従来のシルク製造と比較して水使用量を97%、CO₂排出量を81%削減できるとのこと。

商業規模の生産を支えるため同社は、昨年9月に5,200万ユーロ(約95億8,000万円)という多額の資金調達を成功させました。

続けて化学品メーカーEvonik(エボニック)との提携も拡大し、エボニックがスロバキアに保有するバイオテクノロジー施設内の専用ラインから、精密発酵シルクタンパク質の供給を受ける見込みです。

参考記事:
Bioengineered Silk Enters Luxury Retail as Balenciaga Launches AMSilk-Based Garments
Balenciaga Unveils Innovative Garments for Spring 26
AMSilk’s bioengineered silk yarns featured in Balenciaga’s Spring 2026 collection – World Bio Market Insights

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