ヒラタケ由来のタンパク質を生産する英MYCO Holdingsが、新施設の構想を発表

ヒラタケ由来のタンパク質原料「Hooba」を生産する英国のMYCO Holdingsが、ノース・ヨークシャーに位置する2万平方フィート(約1,860平方メートル)の既存施設を取得したと発表しました。

同社が特許を保有する垂直農法ユニットを導入し、代替肉製品を製造する工場へと転換する計画です。

AIで栽培条件の管理を自動化


以前から工場として使われていた施設を再利用するMYCO Holdingsの計画により、今後数年間で70人の雇用が創出される見込み。

同社の共同創業者で会長を務めるJohn Shepherdは、「原材料の栽培と最終製品の製造をひとつ屋根の下で行うというコンセプトは、より持続可能な食品製造への道を開くだろう」と語っています。

2016年に設立された同社は、人口知能(AI)で制御する自動化垂直農法システム(AVFS)で特許を取得しており、ヒラタケ(oyster mushroom)をベースにした、タンパク質豊富な代替肉原料「Hooba」を生産しています。

植え付け、栽培、収穫を密閉された環境下で行い、カメラやセンサーからのデータをもとにAIが最適な栽培条件を維持し、適切な時期に収穫できるように管理。

1kgの牛肉を生産するのに36kg、大豆では6.4kgのCO₂排出が生じるのに対し、同量のHoobaの生産にはCO₂排出が一切発生しないという、環境負荷の小さい製法を開発しました。

肉に劣らない美味しさに加え、栄養面でのメリットも


MYCO Holdingのウェブサイトによると、味に関しての製品テストでも、従来の動物肉と優劣つけがたいほどの結果が得られたとのこと。

Hoobaには、タンパク質のほか、抗酸化物質、ナイアシン、ビタミンD、鉄分、マグネシウム、カリウム、ビタミンC、葉酸など、ヒラタケ由来の微量栄養素が含まれており、健康的で美味しい代替肉に最適な原料となっています。

多数の植物性食品メーカーがソーセージ、ハンバーグ、ボロネーゼ、ラザニアなどの主原料に使用しており、代表的な例としては、英国ベーカリー業界のリーダー的存在であるWall’s Pastryが、人気のソーセージロールをはじめとするヴィーガン向け製品に採用しています。

参考記事:
MYCO Announces “Food Industry First” Site for Oyster Mushroom Protein to Meet Demand for Sustainable Meat Alternatives
Hooba: “The future is looking really good”

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