スペインのMOA foodtech、AIを活用した微生物タンパク質の生産を拡大するため資金調達を実施

持続可能な代替タンパク質原料のB2B供給を行うスペイン企業のMOA foodtechが、シリーズAラウンドで300万ユーロ(約5億1,700万円)の資金調達を完了したことを発表しました。

AIプラットフォームを用いた発酵生産


MOA foodtechは、Bosco Emparanza(CEO)、José María Elorza(CFO)、Susana Sánchez(CSO)の3人が、2020年にスペイン北部のナバラ州で創業。

独自の発酵技術、農業廃棄物、そして人工知能(AI)を活用して、微生物タンパク質と機能性成分を探索しています。

今回のラウンドは、オランダのベンチャーキャピタルIcos Capitalがリードインベスターとなり、Clave Mayor、Viscofan、SODENA、Banco Sabadellが参加しました。

同社はこの資本増強により、世界中の顧客をターゲットとした包括的な市場投入を早める計画。商業化戦略の策定、生産スケールアップ、AIプラットフォーム「Albatros」の強化などを進め、持続可能な原料生産の最前線に立つことを目指します。

循環型経済の実現に寄与


MOA foodtechの微生物タンパク質は、9種類の必須アミノ酸をすべて含み、PDCAAS = 0.9と消化性にも優れている上、アレルゲンを含まないのが魅力。食品原料としての機能性にも優れ、植物由来の肉やチーズ、ソース、パンなど幅広い用途に適しています。

農業廃棄物として出た穀物、バガス(サトウキビを圧搾した後の搾りかす)、豆類などを栄養分に用いて微生物の発酵を促す同社のアプローチは、アグリ・フード業界における循環型経済の実現に寄与するもの。

世界の温室効果ガス排出の30%、森林破壊の80%を引き起こしていると同社が主張する現在の生産モデルからの転換を図り、気候変動の抑制と生物多様性保全に努めます。

同社は、昨年開かれた食品原料の見本市Fi Europeで、「F&B業界を支える最も革新的なAIソリューション」部門のファイナリストに選出されました。過去にはSmart Agrifood Summitで「欧州のベストスタートアップ企業」に認定、FoodTech Startup Forum 2022でも受賞を果たすなど、数多くの評価を受けています。

参考記事:
MOA Foodtech Secures Series A Funding in a Round Led by ICOS Capital
MOA Foodtech Raises Funds to Scale AI-Driven Production of Highly Nutritious Microbial Proteins

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