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Framtidenとは、スウェーデン語で「未来」を表す言葉です。
世界700兆円の新産業* と試算され、盛り上がりを見せるフードテック。モバイルオーダーやスマート調理家電、トレーサビリティ確保や鮮度保持の技術なども含んだ幅広い分野ですが、その中でも当サイトでは、細胞農業をはじめとした代替プロテインの開発に焦点を当てました。
「細胞農業」という言葉を耳にする機会はまだあまり多くありませんが、これを一言で表すと、「細胞を人間の手で培養して、食料や資源を作り出す」技術のこと。例えば、動物の筋肉となる細胞を培養すれば、家畜を育てることなく食肉を得ることができます。
「代替プロテイン」というのは、細胞培養に限らず、植物由来の成分や微生物を活用するなど、さまざまな手法によって作られた、動物由来ではないタンパク質全般を指す言葉です。
こうした代替品がなぜ必要とされるのかは別記事にまとめていますが、そこから得られる最大のメリットの一つは、環境破壊の抑制です。地球温暖化が叫ばれる昨今、従来型の畜産が温室効果ガス排出の主要因となっていることからも、持続可能な社会の実現に向けて代替プロテインが果たせる役割には、極めて大きなものがあります。
しかしながら、この分野については日本と海外の情報格差が特に大きく、日本語で入手できる情報はまだまだ限られているのが現状。そんな状況に対する危機感から、日本語での情報発信を行っていく必要性を強く感じ、サイトの開設に至りました。
細胞培養に関する専門用語など、技術的な面については何かと難解な印象を持たれるかもしれませんが、記事の中では適宜解説も挟みながら、できるだけ分かりやすくお伝えしていけるよう心がけます。
環境問題や最先端の技術に興味のある方はもちろん、今までそうでなかった方にも、当サイトが、私たちにとって身近な食の「未来」について知るきっかけとなれば幸いです。
* 田中宏隆;岡田亜希子;瀬川明秀(著).2020.『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』東京:日経BP.https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/20/279540/