Quornがハイブリッド肉市場に参入、動物肉とマイコプロテインのブレンド製品を英国の病院で提供へ

代替肉のパイオニアとしてマイコプロテイン製品を供給してきた英国のQuornが、ハイブリッド肉の開発を発表。英国の病院など外食事業者向けに、年内にも提供を開始する計画です。

フレキシタリアンをターゲットに設定


1985年の創業以来、「肉を一切食べない少数の人々を支援すること」を使命としてきたQuornですが、現在の食肉消費量を削減するスピードと規模は十分ではないとし、この路線を修正。「すべての人が肉の消費量を減らすのを支援する」会社へ進化したとしています。

英国でも全人口の25%を占めるとされるフレキシタリアンが代替プロテイン分野の重要な牽引役となっていることから、動物性食肉とブレンドしたハイブリッド肉製品の開発を決断しました。

Quornのマイコプロテイン原料(昨年立ち上げた新会社Marlow Ingredientsを通して販売)は、医療・ヘルスケア業界のケータリングサービスを手掛けるパートナー企業に向けて供給され、ハイブリッド肉に50:50の割合で組み込まれる予定。

NHS病院(国民保健サービスにより原則無料で受診できる医療機関、英国の病院の大部分を占める)などに向け、従来の100%動物由来のハンバーガーやソーセージを置き換える形で、年内にも提供が始まる見込みです。

病院食として提供することで、患者の健康増進が期待できるほか、コスト面でのメリットも。Office of Health Economicsによる研究では、100%植物ベースの食事を採用した場合、NHSは年間最大188億ポンド(約3兆8,700億円)の純益を得るだろうと推定されています。

食肉消費削減の必要性


オックスフォード大学の「LEAP」プロジェクトが行った英国の食肉消費の動向に関する研究は、「食肉摂取量は全体的に減少しているものの、持続可能な食生活に沿ったレベルに到達するには、この傾向を大幅に加速させる必要がある」と結論づけています。

さらに、国連食糧農業機関(FAO)が先月発表した「Food Outlook」は、「2024年の世界の食肉生産量は、わずかに拡大し3億7,100万トン(枝肉重量換算)。アジアを除く全地域で生産量の増加が見込まれ、特に中国における豚肉の増加が顕著である」と予測。

「食肉および食肉製品の世界貿易は2年連続で縮小したが、北米をはじめとした全地域で予想される堅調な輸入需要を背景に回復すると予測される」と述べています。

このような状況下で社会全体の食肉消費を少しでも抑えるためには、まずはハイブリッド肉の活用を模索することが有望です。

ハイブリッド肉へのマイコプロテイン活用


昨年『Frontiers』に発表された論文は、消費者が肉の摂取量を減らし、より健康的で持続可能な食生活に移行するのを支援するハイブリッド肉の役割を明らかにしています。

植物性タンパク質を30%配合したハイブリッド肉は消費者にとって十分魅力的であり、調査では約半数が高い購買意欲を示したとのこと。植物性タンパク質の中では、エンドウ豆タンパク質と大豆タンパク質(textured vegetable protein:TVP)の組み合わせが最適とされています。

世界的な食肉大手の中にも、パーデュー・ファームズ、タイソン・フーズ、ホーメル・フーズなどハイブリッド製品を発売する企業がすでに存在。これらの製品は通常、植物性タンパク質を20~50%含んでおり、野菜、果物、キノコ、スパイスなどさまざまな植物性原料を使用しています。

Quornと同じくマイコプロテインを手掛ける米The Better Meat Co.は、パーデュー・ファームズとの提携で「Chicken Plus」を開発。Mush Foodsも菌糸体原料「50Cut」と牛肉をブレンドしたバーガーパティを今年発売するなど、マイコプロテイン活用の可能性を示しています。

参考記事:
Quorn’s Mycoprotein to Be Blended with Animal Pork and Served in NHS Hospitals
Quorn CEO on Blended Meat: ‘It Doesn’t Matter How People Join the Meat Reduction Journey’
Quorn and meat-blended products on menus ‘by end of the year’ | The Grocer

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