デンマークの乳製品大手Arla Foods、「Lurpak」ブランドからバタースプレッドの植物性バージョンを発売

デンマークに本社を置く北欧最大の乳製品メーカーArla Foodsが所有する高級バターのブランド「Lurpak」から、植物由来のバタースプレッドが発売されました。

9種類の原材料で作られる代替バター


新製品の「Lurpak Plant Based」は、同社が以前から展開していた動物由来の「Lurpak Spreadable」と同じ品質と機能性を有し、そのまま塗る以外の調理用途にも適合。

シンプルな原材料リストも特徴で、ココナッツオイル、菜種油、シアバターなど、9種類の原料のみから作られています。

Arla Foodsは、革新的な新製品は同社の成長戦略の重要な一部であり、代替乳製品を選ぶ消費者が増えている中、Lurpak Plant Basedは小売業者と消費者の双方に付加価値を提供できると述べています。

ただし、1万軒を超える酪農家がオーナーとなった酪農業協同組合でもあるArla Foodsが代替乳製品を手掛けることには賛否両論あり、多くの酪農家は従来どおりの酪農に焦点を当てるべきだと考えている様子。

Farmers Weekly』誌の報道によると、この製品はArla Foodsの既存の植物性食品ブランド「JÖRĐ」から発売するべきだったという意見や、ブランドに対する消費者の信頼を損なうという意見が聞かれたといいます。

酪農に軸足を置きつつも、イノベーションが必要


足元の停滞とは反対に、植物性バター市場は2030年までに大きく成長すると予想されています。とりわけ若い世代の消費者が代替品への切り替えを進めていることなどを理由に、オランダ企業Upfield Holdingsの「Flora Plant B+tter」のような大きな成功を収めている製品も。

Lurpakは現在の顧客の8割が45歳以上というデータがあり、若い世代にアピールする余地が多くあるとの判断から、新製品開発を決断しました。

Arla FoodsのCOOを務めるPeter Giørtz-Carlsenは、「酪農家が経営する協同組合として、酪農は当社の中心であり、これからも変わることはない。しかしながら、ブランドの地位を強化し新しい消費者を惹きつけるためには、イノベーションが必要だ」とコメント。

「Lurpak Plant Basedの発売は、最終的には当社のポートフォリオ全体の継続的な成長と、オーナーである酪農家に還元される価値を創出することを保証する」とも語っています。

Lurpak Plant Basedは、今月21日に英国の店舗で先行販売され、デンマークの店舗では同26日に発売。価格は動物由来のバターと同程度になる予定です。

参考記事:
Lurpak Launches Plant-Based Version of Its Spreadable Butter
Lurpak Finally Releases Plant-Based Spread
Anger as Arla unveils plans for plant-based Lurpak ‘butter’ – Farmers Weekly

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