ニューヨークの植物性ブランドActual Veggiesが約10億円を調達、前年比125%の成長で投資家の関心を引く

プラントベースのハンバーガーを専門とする米Actual Veggiesが、小売り拡大と製品開発を加速させるため、シリーズAラウンドで700万ドル(約10億5,000万円)の調達を行ったと発表しました。

このラウンドはRelentless Consumer Partnersがリードインベスターを務め、New Fare Partners、Sauer Brandsの会長Todd Lachman、投資家のBen Rawitzが追加投資を行っています。

製品開発と展開を加速


Hailey SwartzJason Rosenbaumが2020年に創業した(現在は2人が共同で代表を務める)Actual Veggiesは、野菜、マッシュルーム、豆類を主原料としたハンバーガーとフライドポテトを製造する企業です。

現在のラインアップには、サツマイモ・ニンジン・ビーツを使った「Purple Roots」バーガー、ブロッコリー・ホウレンソウ・ケールを使った「Super Greens」バーガーなど。

赤ピーマンとオニオンキャラメリゼを使った主力商品の「Black Bean」バーガーは今月、米国南東部のコストコ全82店舗で発売される予定です。

さらに、フードサービス大手コンパスグループとの契約により、AmazonやGoogleなどの企業、病院、学校への製品の導入が決まりました。

Swartzは、「これまでに作られた中で最も美味しく満足感のあるベジバーガーを作ることに着手し、驚異的な成長により実証できた。今回の資金によりパートナーシップを拡大し、革新的な製品を開発して、小売り流通を拡大させたい」と語っています。

加工を抑えた「ホールフード」のアプローチ


投資家は植物性食品を扱う企業への関与に慎重になっており、同分野の資金調達額は昨年64%減少。この背景には、超加工食品(UPF)に対する消費者・政府の反発があります。

Rosenbaumによると、超加工食品の売り上げが頭打ちになる一方で、ホールフードの植物性食品は2桁成長を維持しているといい、「これは単なる一時的なものではなく、人々の食生活における永続的な変革だ」と指摘。

また、糖尿病を治療するオゼンピックやウゴービといったGLP-1受容体作動薬の台頭も、加工度の低い原材料を使用したクリーンラベル食品の需要増に貢献しているといいます。

New Fare Partnersを創設したElly Truesdellは、「米国人の食習慣は根本的な変化に直面しており、今後10年間で2,400万人以上の米国人がGLP-1受容体作動薬を使用するようになるとの予測もあるほどだ。この変化は、Actual Veggiesにとって、より自然な食事を求める需要の高まりに応える大きなチャンスになるだろう」とコメントしています。

小売り開拓で前年比125%の売り上げを記録


多くの植物性代替肉とは異なり、Actual Veggiesの製品はタンパク質分離物や繊維状大豆タンパクではなく、野菜全体に焦点を当てたもの。伝統的なホールフードに近い植物ベースの選択肢を探している消費者にアピールできる製品です。

同社は、昨年の売り上げが前年比125%に成長したことを報告。小売りの取り扱い店舗数も前年から倍増し、Kroger、Whole Foods Market、Albertsons、Sprouts Farmers Marketなど6,500を超えました。今年は2,000万ドル(約30億円)以上の販売を見込んでいます。

ホスピタリティ分野の企業家で、前回のシードラウンドで同社への投資を行ったDavid Grutmanは、進化する食を巡る状況下で同社が有利な立場にあるとの見立て。

「Actual Veggiesが意図しているのは肉の模倣ではなく、今日の健康志向の消費者に響く方法で本物の野菜を讃えることだ。食の嗜好がより倫理的なプラントベースの選択肢へと進化し続ける中で、彼らは主要なプレーヤーになるだろう」と語っています。

参考記事:
Actual Veggies Secures $7M Investment To Scale Distribution and Foodservice Partnerships
With UPFs Under Fire, Investors Bet $7M on Actual Veggies After Revenues Double
Actual Veggies raises $7m series A, anticipates $20m+ revenues in 2025: ‘We’re not trying to imitate meat’

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