植物性素材で循環型ファッションを開拓するインドのJiwya Textilesが約5,500万円の調達を実施

植物由来の原料を活用するインドの高級ファッションブランドJiwya Textilesが、アラブ首長国連邦(UAE)に拠点を置く投資会社のKiara Luxe Holdingsから35万ドル(約5,470万円)の資金調達に成功したと発表しました。

中小企業の資金調達プロセスを支援する投資銀行のRedbrick Holdingsが、この調達ラウンドの財務アドバイザーを単独で務めています。

100%植物由来で生分解性の素材を使用


2023年に繊維科学者のAdhiraj ShindeとデザイナーのAishwarya Lahariyaによって設立されたJiwya Textilesは、「土から土へ」をコンセプトに、繊維や染料、トリミングや包装材料に至るまで100%植物由来で生分解性の素材を用いて、持続可能なエコシステムを構築。

インド全土の150を超える職人グループと連携して、厳格な廃棄物ゼロの製造モデルを形作り、端材を残らずアップサイクルするして廃棄物の発生を抑えています。

同社はまた、製造にかかるあらゆるコストを公正に支払うことで、社会的な意味でも持続可能なモデルを作り上げてきました。ウェブサイトによると、すべての製品が手作りであるため、基本方針として業界標準より約17~20%高い賃金を作り手に支払っているとのこと。

同ブランドの100ドルのシャツを購入した場合のコストの内訳は、原料・人件費に30ドル、物流に9ドル、税金12ドルがかかり、残りの49ドルが事業運営にかかる費用に充てられるといいます。

対してファストファッションブランドではそれぞれ10ドル、1ドル、12ドル、77ドル。ハイブランドでは原料・人件費に8ドルしか支払われず、会社の手元に残る金額は90ドルにも上ります。

植物由来のコレクションが世界のランウェイにデビュー


Jiwya TextilesはOxford Fashion Studioとの共同で、植物由来の繊維と染料のみで制作された衣類を特徴とする、2026年春夏「Katidha」コレクションを発表。今年9月のロンドン・ファッションウィークでデビューを果たしました。

同社は、このショーが再生可能なファッションへの取り組みを強化すると同時に、インドのテキスタイルの伝統と職人の技を披露する場となったとコメントしています。

今回獲得した資金は、グローバル市場でのプレゼンス拡大、製造能力の強化、環境・社会への影響力向上に向けた取り組みの深化、職人とのパートナーシップ強化、そして植物由来繊維と染料の研究開発加速に充てられる予定。

共同創業者のShindeは、「Kiara Luxe Holdingsとのパートナー関係により、植物ベースのファッションを世界市場に展開する当社の能力が強化されるだろう。再生可能なサプライチェーンを拡大し、世界の主要都市で当社の事業基盤を確立することが可能になる」と述べています。

参考記事:
Jiwya Textiles ウェブサイト
India’s Jiwya Raises $350,000 for Fashion Made From Plant-Based Materials
JIWYA RAISES USD 350,000 FOLLOWING LONDON FASHION WEEK DEBUT TO SCALE ITS 100% PLANT-BASED FASHION ECOSYSTEM – The Tribune
Jiwya Textiles: Pioneering The Future of Plant-Based Fashion

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