オランダのFooditiveが、欧州市場攻略を狙うアニマルフリーカゼインの生産拡大に成功

サステナブルな植物由来原料に強みを持つオランダのFooditive Group(以下、Fooditive)が、アニマルフリーカゼインの試験的大量生産に成功し、欧州市場への供給体制が整ったことを発表しました。

商業化に向けたパートナーシップを模索


遺伝子合成した独自の細菌株を使用する精密発酵により、遺伝学的に乳製品と同一でありながら、100%アニマルフリーのカゼインを製造するFooditive。同社のカゼインは、乳製品や植物性代替肉など、複数の用途への適用が可能です。

商品化に向けてEUでの認可取得も間近に迫っているといいますが、この目標を達成して市場を拡大させるため、他社との提携を模索しているとのこと。

Fooditiveはすでに、動物性食材の代替となるヴィーガンフードを数多く開発。昨年には、従来の蜂蜜のDNAをコピーし、精密発酵により作られたヴィーガン蜂蜜を発表しました*1。今年3月には、フードテック専門のベンチャーキャピタルSparkalisが、Fooditiveの少数株式を取得しています。

Fooditiveがアニマルフリーカゼインを発表したのは、2021年。当初は酵母から生産するプロセスを採用していましたが、現在は遺伝子合成によって開発した独自の細菌株を用いて生産。これにより、品質や味を損なうことなく、拡張性、効率性、コスト最適化、安全性向上など、いくつものメリットが得られるといいます。

広がりを見せるアニマルフリーカゼイン開発


世界中で行われている技術開発により、徐々に広がり始めている印象のアニマルフリーカゼイン開発。Fooditive以外の主な企業を、以下にまとめました。

Climax Foods(米):人工知能を活用し、理想的な原材料と製法の組み合わせを探る。植物の種子をベースに、カゼインの溶け具合や伸びを再現した代替品を開発。

New Culture(米):酵母を用いた精密発酵により、カゼインの大規模生産を目指す。来年、ロサンゼルスでフードサービスへの進出を予定。実現すれば、アニマルフリーのカゼインを含んだ世界初の製品に。

Zero Cow Factory(インド):ホエイとカゼインの両方を精密発酵により生産。A2タイプ*2 の遺伝子を持ったβ-カゼインを商業規模で生産可能と発表。

Pigmentum(イスラエル):遺伝子組み換えした植物(ロメインレタス)を「工場」として利用し、カゼインを生産。分子農業(molecular farming)は、The Good Food Instituteレポートを発表するなど、代替プロテイン生産の新たな柱として注目されている。

Fermify(オーストリア):独自の連続生産プロセスによる低コスト生産が強み。世界中の顧客に向けて、精密発酵したカゼインの提供を年内に開始予定。

Those Vegan Cowboys(ベルギー):精密発酵により乳製品由来のものと同一のカゼインを生産。牧草で育てた微生物により発酵をスタートさせる手法の確立を目指す。

*1 蜂蜜は、蜂が働いて自分のために作り出した食べ物なので、人間が食べることは搾取にあたるとし、蜂蜜を避けるヴィーガンが多い。
*2 β-カゼインには遺伝子の違いによりA1タイプとA2タイプがある。A2タイプの遺伝子を持った牛が出す牛乳(A2ミルク)は消化しやすく栄養分も豊富といわれ、近年注目を集めている。

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