米Perfect DayがB2B事業への一本化に伴い、15%の人員削減を実施

精密発酵分野のパイオニア企業である米Perfect Dayが、消費者向け製品を手掛ける子会社The Urgent Companyの閉鎖に伴い、全従業員の約15%を解雇しました。

原料供給とコンサルティング事業に集中


精密発酵によるアニマルフリー乳製品を市場に送り出してきた、Perfect Day。昨年9月には、これまで蓄積してきた専門知識や技術、インフラへのアクセスを他社に提供するプラットフォーム「nth Bio」を立ち上げました。

精密発酵によるホエイ(乳清)の生産に焦点を当てており、マース、ネスレ、ゼネラル・ミルズなど著名ブランドとのコラボレーションも数多く行っています。

The Urgent Companyでは、Modern Kitchen(クリームチーズ)、Brave Robot(アイスクリーム)、California Performance Co.(ホエイプロテイン)、Coolhaus(アイスクリームと冷凍デザート)の4ブランドを保有していましたが、これらの消費者向けブランドを手放し、今後はすでに成功を収めているB2Bの原料供給と、前述の「nth Bio」を活用した精密発酵コンサルティング事業に集中するといいます。

投資家からの圧力もあり閉鎖を決断


レイオフの対象となった従業員は、全世界で計134名。うち122名が米国、12名が英国とアジアの社員でした。2022年にSterling Biotechを買収したインドを拠点とする製造部門は、今回の人員削減の影響を受けていない様子。また、正確な数字は公表されていないものの、過去1年以内にもレイオフが行われています。

当面は、The Urgent Companyから少数の社員をコンサルタントとして残すことで、小売サービスを中断させず、既存在庫の解消を目指します。The Urgent Companyについては、全部または一部を売却する意向を示しており、9月までに消費者向け事業から完全に撤退する計画です。

同社の広報担当者は、「現在の経済情勢は2、3年前とは異なっており、さまざまな隣接分野でビジネスチャンスを拡大し、最大化できるような余裕はない。投資家が期待するレベルに達するには、B2Bに注力することが必要との判断に至った」と語っています。

その他、同社の将来に向けての動きとしては、主要企業との提携により、米国内で生産施設の開設を計画中。また、シリーズEラウンドの資金調達でも最終交渉段階に入っているとのことです。

参考記事:https://www.nosh.com/news/2023/perfect-day-lays-off-15-of-workforce-shutters-consumer-biz-coolhaus/

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